米国のマイケル・フロマン通商代表は5日、米国、日本、オーストラリアなど12カ国が環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる交渉を終え、大筋合意に達したことを明らかにした。TPP交渉は重大な進展を遂げたが、これと同時に、中国を対象としたいろいろな声も聞こえてきた。たとえば、今回の合意の目的は中国を排斥することにあるという声もあれば、中国は世界経済の局面でまもなく隅に追いやられるなどという声もある。本当にそうなのだろうか。環球網が伝えた。(文:宋清輝・環球網特約エコノミスト、著名なエコノミスト、清暉シンクタンクの創設者)
TPPが中国に与える脅威は一部の人が想像するほど深刻なものではまったくない。商務部(商務省)の報道官は、「TPPは目下のアジア・太平洋地域における重要な自由貿易協定の一つだ。中国は世界貿易機関(WTO)のルールに合致し、アジア・太平洋地域の経済一体化促進にプラスになる制度の建設には等しく開放的な態度で臨む。中国はTPPがこの地域の他の自由貿易の枠組と相互に促進しあい、アジア・太平洋地域の貿易投資や経済発展に向けてともに貢献することを願う」と述べた。
同報道官が自信に溢れる様子でこのように述べた根本的な原因は、目下の中国経済が全体として十分に安定的な発展ぶりを示しており、TPPが中国経済に致命的な打撃を与えるとは考えられないことにある。筆者は今年9月下旬、「メードインチャイナ2025はドイツのインダストリー4.0よりもレベルがさらに高い」というテーマの講演を行った。中国国務院が今年5月に発表した「メードインチャイナ2025」プランは、多くの人に中国版インダストリー4.0とみなされるが、筆者は2025は4.0よりもレベルが高く、TPPも中国製造業のさらなる発展を阻むことはないと考える。2025はより多くの使命を背負うものだからだ。