中国国務院報道弁公室は17日午前に記者会見を開き、「2014年中国海外直接投資(FDI)統計公報」に関する状況について紹介した。商務部(省)の張向晨・国際貿易談判副代表は、「今年1月から8月、中国の対米投資は、前年同期比35.9%増の44億3千万ドル(約5300億円)に達した」と述べた。人民網が報じた。
張副代表の談話内容は次の通り。
中国からの投資によって米国で設立された企業は、2014年末の時点で3千社を上回り、対米投資残高は累計652億2千万ドル(約7兆8100億円)に達した。このうち直接投資残高は380億1千万ドル(約4兆5500億円)と、投資残高全体の58.3%を占めた。米国はすでに中国にとって3番目に大きい投資先国となった。
中国企業による対米投資の特徴として、以下が挙げられる。
1.成長スピードは速いが、投資残高はそれほど伸びていない。2009年以降、中国の対米投資は急成長期に入った。2014年、中国の対米直接投資残高は75億9600万ドル(約9100億円)と、過去最高をマークした。対米直接投資による資本純輸出は52億2600万ドル(約6300億円)に達した。だが、中国の対外投資はかなり出遅れたことから、中国の対米各種投資が米国外資導入残高全体に占める割合は、2014年末の時点で、わずか1%にも満たなかった。
2.業種がかなり広範囲に分布しているものの、特定の業種にかなり偏っている。中国の対米投資は、18の業界大類をカバーしている。投資残高でみると、金融・製造・採鉱・不動産の4業界における投資総額は479億7千ドル、全体の約8割を占めた。企業数でみると、中国からの投資によって米国で設立された企業のうち、製造企業と卸売・小売企業が全体の62%を占め、このうち卸売・小売企業は、主に輸出入貿易業務に従事している。