中国の経済成長ペースの鈍化が「中国停滞論」を唱える人々に「またとない後ろ盾」を提供しているが、情報が明らかになるにつれ、理性的な意見も増え始めている。米国NBCはこのほど発表した文書で、「中国経済の動きは依然としてほかのあらゆる国よりも好調だ。『中国には構造改革がない』という見方は荒唐無稽なものだ。少し前に、国際連合(国連)ラテンアメリカ・カリブ経済委員会が発表した報告書でも、2015年に中国経済が7%の成長率を達成すれば、世界経済への貢献は7千億ドル(約84兆980億円)に上り、国内総生産(GDP)増加率が14.2%を達成した2007年を上回ることになると予想する」と指摘した。「人民日報」海外版が伝えた。
それでは中国の成長率7%での世界経済への貢献が、14.2%だった年を上回るのはなぜだろうか。専門家は、「ここには数と質と2つの原因がある」と話す。
中国人民大学商学院の劉向東教授は、「はっきりとした原因の1つは、中国経済の規模が昔と今とでは比べものにならないこと、言い換えれば基数が昔よりも大きくなったことだ。また2007年の金融危機発生以前は、世界の主要エコノミーが好調だったが、今は欧州や日本などの発達したエコノミーが回復力不足で、新興エコノミーも低迷し始め、他国の低迷が中国の経済成長の世界経済における重みを増大させ、中国の貢献度の相対的な上昇を招いている」と話す。
大連理工大学管理・経済学部の劉鳳朝教授は取材に答える中で、「GDP増加率という指標は広く使用されるが、世界経済発展に対するある国の真の貢献を推し量るには、マクロ的なGDPデータだけに頼るわけにはいかない。米国の世界経済への貢献は、主にコア技術の提供という面に現れており、中国も将来このようになるだろう」と述べた。
また劉鳳朝教授は、「かつて、中国は低コストの労働力とローエンド産業の発展によって経済を牽引してきたが、今や世界経済の成長モデルは変化し、中国自身も経済成長モデルを転換させ、成長に対する科学技術の促進的役割を向上させようと努力している。これはまさに中国が世界経済への貢献度をより一層高めるための立脚点になる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年9月16日