国務院はこのほど「基本年金保険基金投資管理規定」を公布し、年金資金の市場参入を認めた。同規定の公布は、中国の年金による社会保障システムの改革・発展にとって重要な意義がある。言い換えれば、今後10年間かそれ以上の期間は、年金投資の「黄金期」になるということだ。それでは他国の年金資金はどのように投資運用されているのだろうか。一財網が伝えた。
▽日本の場合 年金資金の投資ファンド 株に重点
日本政府は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が1兆2500億ドル(役150兆5125億円)にも上る年金資金を運営する。GPIFは世界最大の公的年金資金の投資機関であり、資本市場における投資では極めて保守的な戦略を採る。長年にわたり、GPIFの資産配分は債券投資が中心だったが、投資の成果をみると、保守的な戦略では試算の安全性を十分に保障することができないばかりか、年金資産の大幅な目減りを招くこともあった。
報道によると、今年3月末までに、GPIFの2014年度の投資収益は前年同期比約50%増加し、投資収益率は12.27%に達し、いずれも01年の設立以来の最高を記録した。安倍政権はGPIFがリターンのより大きな株式に資産をより多く配分するようかねてより促しており、これによって経済を振興させ、少子化と高齢化からくるニーズに応えようとしている。現在、日本の国内株指揮がGPIFの投資に占める割合は15.9%から22%に上昇し、海外株式の割合は15%から20%に増えた。
▽シンガポールの場合 「神秘的」な中央政府の積立金
シンガポールの年金資金の運用は典型的な政府による集中管理モデルを取り、中央積立金と呼ばれる。他国と異なるのは、この制度は制度利用者のために4つの口座を設置し、年金、住宅、医療など複数の分野をカバーすることだ。政府、企業の代表、従業員の代表、社会保障の専門家からなる理事会が、中央積立金管理局を監督管理する。政府は中央積立金の償還を保証するが、資金の徴収、管理、投資はいずれも政府から独立して行われる。