オーストラリア国立大学東アジア経済研究所のセンター長を務めるピーター・ドライスデール氏はこのほど「イーストアジアフォーラム」で発表した文章で、「中国が今、市場経済改革を深化させつつあることは間違いない」と述べた。
中国政府が最近うち出した市場救済措置と人民元レート基準値の改革は世界中の注目を集めたが、中には中国の経済改革が曲がり角にさしかかり、計画経済の時代に逆戻りすると誤解する人も出てきた。
ドライスデール氏はこうした見方に異議を唱え、「世界2位の経済体の最も活発な部分は工業製品の生産量で3分の2を占める民間企業であり、中国の市場経済国としての地位をオーストラリアや多くの国がすでに承認している」とした。
ドライスデール氏は、「中国株式市場の下落は実体経済や企業の業績と密接に関連したものではなく、弱気市場が実体経済に蔓延するのではないかとの懸念は杞憂に過ぎない」という。
またドライスデール氏は、「人民元レート基準値の改革、人民元の米ドルとの関連性からの脱却といった措置を政府の市場への干渉とみなすのは、一種の誤った解釈ともいえる。こうした動きは実際には、中国がより市場化されたレート形成メカニズムをうち立てる決意であることを国際社会に示すものであり、外部は懸念を抱くべきではない。中国のレート改革のどの一歩もすべて市場化の方向に向かって進んでいる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年8月27日