コードを繋げることなく、特製のヘルメット型の装置をかぶるだけで、無人機とロボットの遠隔操作ができる--。これはまるでSF映画のようだが、解放軍情報工学大学脳・機械共同情報処理実験室副室長の童莉氏は学部生と共に研究開発を進め、短期間でこの技術を現実にした。中国科学報が伝えた。
◆脳機能を正確にマッピング
2012年9月のある日の夜、解放軍153病院に脳腫瘍の重患が送られてきた。同病院は調査により、脳機能イメージング技術が脳腫瘍手術に役立てられることを知った。彼らは中国科学院を卒業し、解放軍情報工学大学で脳機能イメージングの研究を行っている同実験室室長の閻鑌氏と連絡を取った。
閻氏の指示を受け、患者は手足を動かした。閻氏はデータ分析により患者の脳の機能局在を把握し、その腫瘍との位置関係と間隔を目に見える形で示した。
最終的に、手術は大成功した。患者は快復後、運動機能がほぼ正常に戻った。同病院はこの技術を使い、160人以上の手術を行った。
◆脳の視覚情報を再現
アルファベットの書かれているカードを目にしたとしよう。このアルファベットを読み終わった後、核磁気共鳴イメージング設備により、隣のコンピュータに読んだばかりのアルファベットが表示される。
これもSF映画ではない。この光景は、河南省人民病院磁気共鳴室で実際に展開された。同技術は、「脳視覚情報再現」と呼ばれている。被験者は大型磁気共鳴設備の中に横たわり、いくつかのアルファベットを読む。設備は脳の視覚機能局の弱い脳波を収集し、これをコンピュータに伝送する。複雑な演算処理により、目にしたものが再現された。
童氏は、「正解率は70%以上に達する。これは世界でも高い水準だ」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年8月14日