人民元の過度の下落を避けるため、人民銀は12日に、代理銀行を通して、人民元の対ドルオンショアレートに介入するという報道もあった。
人民銀は12日、「中国の経常収支は、輸出超過が続いており、これは為替市場の需要と供給を決める主要な要素であり、人民元レートを支える重要な基礎でもある」と指摘した。
■不動産市場や株式市場も下落?
今回のレート変動の不動産市場や株式市場への影響はほとんどないものの、不動産企業の在庫が増加する可能性がある。
国泰君安証券の首席経済学者・林採宜氏は、「今回のレート変動の株式市場や不動産市場への影響はほとんどない。金の価格が高騰するというのは、一般人の誤解で、人民元が下落するとの予測からリスク回避のために金などを購入する人が増加している」と分析している。
一方、アジア太平洋都市不動産研究院の謝逸楓・院長は、「不動産企業の海外融資は、大きな影響を受け、それが国内の不動産価格に波及する」と予測している。
不動産代理大手・中原地産の統計によると、今年の1-7月期、不動産企業の海外融資は計183億1000万ドル(約2兆1972億円)と、前年同期の431億5400万ドル(約5兆1784億円)から57.6%減となった。
謝院長は、「レート調整の不動産企業に対する最大の影響は、海外融資のコストが上がること。不動産購入計画や着工計画などに影響が及び、在庫が増加する可能性がある。不動産価格が少し下落する可能性も排除できない」と予測している。 (編集KN)
「人民網日本語版」2015年8月14日