在日本中国大使館のウェブサイトによると、7月23日、程永華駐日大使は日本記者クラブで講演し、「中国は日本をどうみているか」、「日本は中国をどう見るべきか」の2点を軸に、中国の発展、中日関係、歴史問題、抗日戦争勝利70周年記念行事、日本の安保政策見直し及び東海問題などについて中国の立場と見方を説明するとともに、記者の質問に答えた。
中国の発展について、程大使は次のように述べた。中国は平和的発展の道を揺るぎなく歩む。これは歴史と現実、国の発展目標に基づく戦略的選択だ。中国の発展では、「二つの百年」の目標(中国共産党創立100年までの小康社会完成と新中国成立100年までの近代化基本的実現)を実現し、世界最大の発展途上国を富強、民主、文明、調和の社会主義近代国家に築き上げる。世界に覇権をとなえるのではない。中国は平和で安定した国際環境と周辺環境を必要とし、平和的発展を自ら実行し、世界の平和的発展を積極的に提唱し、守っている。中国の急速な発展が世界の発展にもたらすのはチャンスと原動力であって、脅威と挑戦ではない。中国が「親善、誠実、互恵、包容」の周辺外交理念を打ち出し、一帯一路(1ベルト、1ロード)の建設やアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立などを積極的に推進している目的は、地域各国の共同の発展・繁栄をはかることだ。中国は日本が、中国の関係提案を善意の目でみるとともに、むやみに指弾しはては妨害、攪乱するのではなく、中国の提案に積極的に参画することによって自国と地域の発展を促進するよう希望している。
中国の国防整備について、程大使は次のように述べた。中国が軍事力を発展させる目的は自らの国土を防衛し、国の平和的発展を守ることだ。国家は経済が発展すると同時に、必然的に国防整備に力を入れるようになり、中国の国防整備は国の経済発展水準および防衛安全保障の必要に見合ったものである。同時に中国の軍事力発展は国際社会に安全保障の公共財をもたらし、平和維持、船舶護衛、人道支援などの国際的義務を積極的に果たしている。日本国内の一部の人は中国の正常な国防整備を口実に、わざと「中国の脅威」を喧伝し、中日間の緊張・対立を引き起こしている。それは中日関係改善の雰囲気を壊すだけでなく、中国を仮想敵国とする誤った観点を日本社会の内部で膨れ上がらせ、両国間の紛争のタネをまく可能性があり、こうした傾向はかなり危険である。
中日関係について、程大使は次のように述べた。日本は中国の重要な隣国で、中日国交正常化後40年余りの歩みを振り返ると、中日関係の急速な発展は双方に極めて大きい利益をもたらしている。政治面では中日間に四つの政治文書があり、経済面では両国はお互いに主要な経済・貿易協力パートナーで、貿易額は長年3000億ドル以上に保たれている。中国は日本にとって最大の貿易相手国、日本は中国にとって最大の外資供給国だ。双方の人の往来は密接で、今年は延べ600万人突破の可能性がある。両国はすでに密接不可分な関係を形成している。事実が十分証明しているように、中日関係は双方にとって最も重要な二国間関係の一つであり、中国政府は日本を重要な近隣国とみなし、中日関係の発展を非常に重視している。