かなり簡単な試験であること以外に、安い講習費用とスピーディな発給も、免許所取得のために済州島を訪れる中国人を引き付ける要因となっている。韓国メディアは、「中国で免許証を取得するためには、だいたい70~80万ウォン(約7万5千円から8万6千円)かかり、北京などの大都市では100万ウォン(約11万8千円)を上回る。一方、済州島で取得すれば、その半分もかからない上、わずか数日で取得できる」と指摘している。
【「受験+観光」がビジネスチャンスに】
中国人が免許所取得のために済州島に詰め掛ける背後には、それにビジネスチャンスがあると踏んだ多くの企業による扇動作用もある。
多くの旅行社は、このブームに乗じて、「免許証取得+観光」タイプのツアー商品を打ち出した。免許証取得が、済州島における観光業発展の新たな火付け役となった訳だ。済州島の複数の自動車講習所も、中国通訳スタッフを雇い入れて中国人客に対応している。免許証取得のために済州島にやってきた黄さん(女性)は、「中国国内では、免許証取得費用がどんどん高くなっており、済州島まで来て取得するのと変わらなくなっている。ならばいっそのこと、済州島で免許証を取って観光も楽しめば一挙両得、こちらに来ない手はない」と話した。
【中国、韓国に中国人への免許証発給禁止を求めた経緯も】
外国人が免許証取得で韓国に詰めかけている傾向について、憂慮を示す韓国人は少なくない。ある韓国人専門家は、「このような情勢は、韓国の運転免許証の信頼度に影響を及ぼす可能性がある。韓国政府は、免許証取得試験制度をいっそう改善すべきだ」と指摘した。