向幇銀さんは、重慶市渝北区回興の建設現場で働くドリル技師だ。向さんは1週間前に建設現場で作業中に、硬い岩を発見した。向さんは仲間と共に、この邪魔になっている岩を掘り出した。岩の表面は白い層で、これを取り除くと黒い層が現れた。さらにこの層を取り除くと、褐色の層が現れた。重慶晨報が伝えた。
向さんは、「楕円形で、背中に模様があった。亀のように見えた」と話した。
重慶自然博物館の専門家は9日午前、亀と思しき化石が発見された建設現場を訪れた。その結果、これが今から1億4000万年前のジュラ紀後期に生息していたヘビクビガメの化石であることが分かった。
重慶自然博物館の張鋒氏は、「ヘビクビガメの化石は、欧州と中国でしか発見されていない。また中国では、西南地区でしか発見されていない。現在までに発見されているヘビクビガメの化石は8種類で、1種類が雲南省で発見されたほか、7種類はいずれも四川盆地で発見された。ヘビクビガメの化石によって地層を鑑定することで、地質の年代の特定、古代環境の復元などの研究に、生物的な根拠をもたらすことができる」と述べた。
重慶市でこれほど古い化石が見つかったのはなぜだろうか?張氏は、「四川盆地にはかつて湖沼や河川があった。ジュラ紀の恐竜や亀などの古代生物は植物が繁茂し、水草が豊富な環境で共同生活していた。現在頻繁に確認されている赤い砂岩の岩層は、ジュラ紀の岩層である可能性が高い」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年7月10日