米エール大学キャンパスの北側にある雑草だらけの荒地が、今では、ニラや中国パセリなど、米国の人々が耳にしたことがないような野菜が青々と生い茂る畑になっている。7日付AP通信の掲載記事は、エール大学に通う多くの中国人留学生の親が、キャンパス内で菜園作りに励んでいることについて、大変好意的に報じていた。同時に、多くの米国人ネットユーザーから称賛の声が上がった。中国メディア・華商報が伝えた。
〇菜園での野菜作り、大学側も支持
「異国のハーブと野菜」が一面に生い茂るこの菜園は、エール大学の北端にある。中国人留学生の大幅な増加に伴い、この10年間で、雑草だらけの荒れ果てた一画が、美しい菜園に変身した。現在、ニラや中国パセリなど、米国の人々が耳にしたことがないような野菜が青々と生い茂っている。
もともと、愛する我が子を気遣う中国人留学生の親は、子供の面倒を見るために米国について来るケースが多い。これらの高齢者は、中国のさまざまな都市や農村から来ているが、「野菜作り」という共通の趣味を持っている。我が子がキャンパス内で学業に専念している間、親はこの菜園でお互い知り合い仲良くなり、母国で慣れ親しんだ新鮮な野菜を食べる。菜園があるのは、エール大学の敷地内で、かつては雑草が生い茂っていた。大学側は、中国人の親の野菜作りを支持し、彼らに肥料を提供した。
1854年、米国に留学した中国人留学生第1号が、エール大学を卒業した。現在、エール大学で学ぶ外国人留学生のうち、約4分の1が中国人という。昨年の統計データによると、エール大学には、研究者680人、大学院生(修士課程・博士課程)516人、学部生58人が在籍している。
〇不文律をきちんと守る親たち
菜園作りに励む中国人の親には、都市出身者もいれば農村出身者もいる。米国に来て初めて、野菜を植える方法を学んだ人も多い。張さん(女性)は北京出身、娘さんがエール大学医学部で学んでいる。米国に来る前は、畑仕事など経験したことは皆無だった張さんは、「今は、青空の下で畑仕事に精を出す毎日。市場では入手できないフレッシュな野菜を収穫できるだけではなく、良い運動にもなるし、多くの新しい友人もできた」と話す。
菜園で野菜を育てたい親に求められることは、「肥料を撒いても良いが、殺虫剤は使ってはならない」「自分が収穫した野菜は、たとえ相手が野菜を育てていなくとも、近隣の人々と分かち合うこと」「家を空ける際には、互いに助け合って畑の世話をすること」など、いくつかの「不文律」を守ることだけだ。また、引っ越す際には、菜園で自分が受け持っている区画の世話を引き継いでくれる人を見つけなければならない。
菜園では、各種ハーブのほか、各種豆類やトマトなどを育てている。種は、現地に住む中国人が市場で買ってくる。収穫した各種の野菜は、近所に住む中国人家庭で分け合う。
10年前からだんだんと形になってきた「エール菜園」も、同校で学ぶ中国人留学生と彼らの親が増え続けるに伴い、現地メディアや住民の関心を集め、米国人ネットユーザーから褒め称えられるようになった。ある米国人ネットユーザーは、「食事にこだわるのは、大変良い習慣であり、中国人の飲食習慣がより健全であるのも、そのような背景があるからだ」とコメントしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年7月10日