映画の映像
■「戦争とは決して面白いものではない」ことを若者に知らせる
すでに83歳の高齢である山田火砂子監督は、歩く際に杖を必要としているが、まだまだ気力があり、かくしゃくとしている。映画の上映前に舞台挨拶を行った山田監督は、日本の国民に再び国に騙されないよう、反省の精神を持つことが必要だと呼びかけた。
2013年の夏、山田監督は偶然「望郷の鐘」という児童書を読んだ。本を読んだ後、山田監督は非常に驚いた。戦争が終わるわずか3カ月前にも、日本は中国の東北地方に満州開拓団を送り込んでいたのだ。この時、この作品を映画化するという考えが頭に浮かんだ。
この頃、山田監督に深い感慨を与えるもう一つの出来事があった。戦闘機・零戦の操縦士を描いた映画を見ている最中、映画全体に戦争賛美が溢れていることに気づいた。また、一部映画を見た若者が感動のあまりすすり泣いていた。山田監督は唖然とすると同時に、日本政府が「武器輸出3原則」を廃棄し、憲法解釈を変更し集団的自衛権行使を容認することと同様に、若者が戦争に憧れを持つことは危険なことだということを強烈に意識した。このため、山田監督は日本の若者に「戦争とは決してそんなにおもしろいものではない」ということに気づかせなければならないと考えるようになった。山田監督は、「戦争を理解している人も理解していない人も皆、戦争が悲惨なものであることを知らなければならない」と語る。