上海国際映画祭の組織委員会はこのほど、今年6月に開催予定の同映画祭で、昨年11月に亡くなった日本の俳優・高倉健さんの回顧展が開催される計画であることを明らかにした。高倉さんが生前、中国での公開を希望し続けていた「鉄道員(ぽっぽや)」も、中国で初めて上映されることになる。新華網が報じた。
中国で1970年代、映画「君よ憤怒の河を渉れ」が、改革開放後初の海外映画として公開されて空前のヒットを記録。主役の杜丘冬人を演じていた高倉さんが大人気となった。その他、高倉さん主演の「幸福の黄色いハンカチ」や「遥かなる山の呼び声」なども大ヒットとなった。そのため、昨年11 月に、高倉さんが死去したというニュースが中国でも伝えられると、多くの人が胸を痛めた。
同組織委員会によると、回顧展では、「君よ憤怒の河を渉れ」、「幸福の黄色いハンカチ」、「網走番外地 望郷編」、「遥かなる山の呼び声」、「鉄道員」の5作品が上映される。
回顧展は、日本映画製作者連盟および東京国際映画祭のバックアップにより開催される。今年10月に開催される予定の東京国際映画祭でも、追悼イベントが計画されている。日本映画製作者連盟事務局の華頂尚隆事務局長は、「高倉さんは生前、日中友好にずっと励んでおられた。張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『単騎、千里を走る。(原題:千里走単騎)』」にも主演するなど、中国人にとっては古くからの友人。上海国際映画祭で回顧展が開催されることには、非常に意義がある」と話す。
2013年の上海国際映画祭の日本映画ウイークで、高倉さんの遺作となった「あなたへ」が上映された。同映画祭に高倉さんは出席できなかったものの、「上映されることを知って、とても光栄でうれしい」とのメッセージを寄せた。
同組織委員会は、「中日両国の映画関係者が協力し、素晴らしいアジアの映画を世界に発信したい」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年5月15日