中国中鉄株式有限会社は12日、同社傘下の中国中鉄二院工程集団有限責任公司が5月末にロシア鉄道会社が、モスクワーカザン高速鉄道プロジェクトの調査・設計に参与することで、ロシア側と関連取り決めに調印すると発表した。これで、中国の高速鉄道企業は正式に国を出て、ロシアの高速鉄道建設に参与することになる。
では、モスクワーカザン高速鉄道プロジェクトにおける「中国元素」をどのように捉えればよいのか。ロシアはなぜ中国企業をその高速鉄道プロジェクトの設計・建設に参与させたのか。
モスクワーカザン高速鉄道プロジェクトはロシアが2008年11月に発表した『2030年運輸発展戦略計画』の構成部分であり、総延長は約770キロ、設計時速は400キロ、軌間は1520ミリメートル(広軌)となっている。同高速鉄道の竣工後、モスクワ・カザン間の列車運行時間は現在の14時間から3時間半に短縮する。全工事が2018年ワールドカップ前に完了する予定だ。
ロシアが中国企業を同国の高速鉄道プロジェクトの設計・建設に参与させている原因について、中国中鉄の李長進会長は、「10数年の高速鉄道建設により、中国が高速鉄道の設計、施工と鉄道車両などの装備製造の面で豊富な経験を蓄積しており、技術提供、工事請負、設備供与のいずれの面においても実力を備えているからだ」と指摘する。
「中国企業は技術サポート、調査・設計、施工、高速鉄道の運行管理、設備メンテナンス、スタッフの育成などの面で、ロシアの高速鉄道建設におけるあらゆるニーズに応えることができる」
ロシアの高速鉄道プロジェクトは、中国が「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の戦略構想を提起して以来最初の重要関連プロジェクトとなっている。中国政府関係部門のサポートを受け、ロシアの高速鉄道プロジェクトへの参与を契機に、プロジェクト調査・設計、施工およびプロジェクト管理、設備製造など多数の産業分野の中国企業の海外進出が加速するだろう」と李長進会長が見ている。
「チャイナネット」2015年5月14日