米CNN電子版は25日、「人質事件、日本にとって何を意味するか?」と題した社説の中で、人質事件が日本の安全戦略強化の取り組みにどのような影響を及ぼすかが注目されていると報じた。この危機は、日本の本土から遠く離れた場所における影響力の不足を浮き彫りにした。日本はより積極的かつ先見性のある安全戦略により、東アジア以外の地域にも影響力を拡大する必要がある。具体的に見ていくと、日本政府が提案したより先見性のある安全戦略は15の場面を想定しているが、そのうちの一つは海外における邦人救助作戦における武力行使の容認だ。この変化が実現されれば、日本政府は自衛隊を派遣し、武力による救助活動を展開できる。日本政府がいかに人質斬首の悲劇に対応するかは、国家安全政策の動向を左右する。
米月刊誌『アトランティック』もまた、イスラム国の斬首事件は、安倍首相による日本の「再軍事化」路線を助長する可能性があると分析した。安倍首相が率いる自民党は、昨年12月の総選挙に圧勝した。安倍首相は憲法改正に意欲的で、集団的自衛権の行使を容認しようとしている。安倍首相は、日本の長期的なライバルである中国が軍事力を大幅に拡大する中、憲法9条はすでに時代遅れだと考えている。昨年12月の総選挙後、中谷元防衛相は改憲の理由について、「日本の安全環境は変わっており、国家安全を強化する必要がある」と述べた。
しかし、異なる観点も示されている。ニューヨーク・タイムズは25日、人質の運命は日本で連日焦点となっており、安倍首相の試練にもなっていると伝えた。政治アナリストは、「今回の斬首事件は、日本に国際事業でより積極的な役割を担わせようとする安倍首相に反対する、平和主義を堅持する日本国民の勢力を強める可能性がある」と分析した。
上海国際問題研究院アジア太平洋研究センター副主任の廉徳瑰氏は25日、環球時報の記者に対して、「安倍政権は集団的自衛権の行使を容認し、海外派兵しようとしている。この目標を実現するため、人質事件を利用できる。しかし現状を見る限り、朝鮮の拉致事件、東中国海などの情勢は、すでに安倍政権の十分な口実になっている。人質事件がなくても、安倍政権はその政策を推進できた。今回の人質事件は、日本の情報面の改善を促す可能性が最も高い。これまでも日本人が海外で拉致されることがあったが、情報収集部門が力を持たず、仲介者を見つけられず、米国に支援を求めるしかなかった。しかし米国も手を貸すことはできなかった。ゆえに今回の人質事件は、日本の情報収集部門の改善の維持と、情報収集能力の強化を促す可能性がある」と指摘した。
「チャイナネット」2015年1月28日