イスラム過激派組織「イスラム国」はこのほど、日本人の男性2人を人質に取り、身代金2億ドルを要求する映像をネット上で公開した。「殺人予告」を受けた日本政府は今、人質解放に向けた取り組みに追われている。ところが、政府の緊迫した状況とは対照的に、日本のネットユーザーはこの動画や関連画像を使った「いたずら」に熱中している。環球時報が伝えた。
日本のネット上は今、人質動画の画像を加工したコラ画像であふれている。覆面の男がミッキーマウスやセーラームーンなどのキャラに置き換わっているもの、2人の人質と覆面男がビールで乾杯しているものなどだ。中には、アニメ「ラブライブ!」のキャラ画像一覧をイスラム国に送りつけ、「この中で一番カワイイと思うのは誰?」と聞いている日本人もいた。これに対し、イスラム国側は「お前は馬鹿か」と回答している。
日本のネットユーザーはなぜこんな行動をとるのだろう?22日にある日本人大学生に取材したところ、この生徒は「ネット上のコラ画像に反感は覚えない。専門家を含む多くの人が動画の信憑性を疑っている。このため日本のネットユーザーが、動画の問題がある箇所を探し始め、知らないうちにコラ画像合戦になっていた。また、日本の若者の多くは湯川遥菜氏(人質の1人)を嫌っている。彼は民間軍事会社のCEOを名乗っており、いわゆる戦争屋だ。多くの人は、イスラム国に対し、このような人間を日本に戻さないよう求めている」と語った。
日本の専門家の多くも動画の信憑性に疑問を呈している。朝日新聞の報道によると、近畿大短期大学部の黒田正治郎教授は「屋内で撮影した人物を砂漠の背景と合成したのかもしれない」と語っている。2人の人質は異なる時間に撮影され、合成されたと指摘する声もある。共同通信の22日の報道によると、警察庁は人質の動画が加工されたものかどうか現時点では断言できないとしている。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年1月23日