甘いキュウリが好きという人は多いが、実は苦味のキュウリには健康に良い成分が含まれている。中国農業科学院野菜・花卉研究所研究員、深セン農業ゲノム研究所副所長の黄三文氏率いる研究チームの論文が、11月29日付け「サイエンス」誌に掲載された。同研究は、キュウリが苦くなる秘密を明らかにし、将来抗がん剤の開発・合成の研究に役立つ可能性がある。人民網が伝えた。
黄氏によると、我々が普段食べるキュウリは全て、苦い野生種を品種改良したものであり、キュウリの品種改良の遺伝的メカニズムを研究することは、キュウリの育種にとって重要な意義を持つ。同研究により、キュウリの苦味成分の合成、制御および品種改良の分子メカニズムにおいて11の遺伝子が関わっていることが明らかになった。
キュウリの苦味成分はククルビタシンで、高い薬用価値を持つ。本草学の古典・本草綱目の中で、甜瓜(マクワウリ)のへたには催吐・消炎の効果があると記載されているが、マクワウリのへたにも大量のククルビタシンが含まれている。
現代医学研究で、ククルビタシンはがん細胞の増殖を抑制し、他の抗がん剤とも併用できることが分かっている。黄氏は「現在、関連の研究機関と共同研究を進めている。ククルビタシンの合成・制御のメカニズムが明らかになれば、将来の抗がん剤研究に役立つ可能性がある」と述べた。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年12月1日