マッキンゼー・グローバル研究所が本日上海で発表した最新の報告書によると、中国のネットユーザー数は現在6億3200万人に達している。中国の2013年のネット通販小売総額は3000億ドル弱となり、米国を抜き世界最大のネット通販市場となった。人民網が伝えた。
この「中国のデジタル化への変貌、インターネットの生産力と成長への影響」と題する同報告書は、中国はすでに大規模な急成長するネット経済を形成していると指摘した。中国のインターネット経済の対GDP比は、2010年の時点では3.3%と多くの先進国に後れを取っていた。しかしこの比率は2013年に4.4%に上昇し、先進国水準に達し、米国、フランス、ドイツなどを抜いた。
中国がデジタル化新時代に向けてまい進する中、同研究所は、「インターネットは2013−2025年に、中国経済の年間成長率の0.3−1.0%を占める」と予想した。これはつまり、インターネットのこの十数年間の経済成長に対する寄与率が、7%から22%に達することを意味する。2025年までに4兆−14兆元(約65兆7200万―230兆円)の経済成長が実現されるか否かは、インターネットの活用の速度と深さに左右される。
医療・衛生業界を例とすると、同報告書は、「インターネットは毎年、医療・衛生の支出を1100−6100億元(約1兆8千億―10兆円)削減する」と予想した。同報告書は金融サービス業についても、「インターネットの金融業の成長率に対する寄与率は、2025年に10−25%に達する」と予想した。
しかしながら同報告書は、「中国人消費者はデジタル化の時代に向かってまい進しているが、企業のテンポが遅れている。中国の大多数の業界にとって、インターネットは労働生産性を大幅に高めることができるが、具体的に利益を得ている企業は少ない。インターネットの影響は、消費と関連する面に多く反映されている。中国のインターネット発展はこれまで、企業ではなく消費者によって進められてきた。中国の2013年のネット通販小売総額は、小売業全体の7−8%を占め、米国の6%を上回った。中国の中小企業の運営におけるインターネット使用率は20−25%で、米国の72−85%を大きく下回っている」と指摘した。
インターネット技術を企業経営に融合させることは、決して容易なことではない。これには大量の事前投資、職能の全面的な更新、新しい組織とフローの制定、変化を求める企業文化の育成が必要だ。しかし企業単体にとっても、経済全体にとっても、モデルチェンジの成功は十分な見返りをもたらす。さらに重要なことは、インターネットが中国経済を高い労働生産性に基づく、革新・消費駆動型の発展モデルに移すことだ。同研究所は、大きな変革がすでに始まっていると判断した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年7月25日