人気俳優トム・クルーズが主演するSF映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(Edge of Tomorrow)が6日、米国と中国で同時公開となった。高い前評価に、中国での興行収入は10日朝の時点で、1億8500万元(約30億5250万円)と、北米を抑えて世界一となっている。海峡都市報が報じた。
日本の小説家・桜坂洋によるライトノベル「All You Need Is Kill」(04年)を基にダンテ・W・ハーパーらが脚本を執筆した同映画では、謎の侵略者「ギタイ」の度重なる襲撃により、地球が壊滅状態に陥り、対侵略者の決死の任務にあたっていたトム・クルーズ演じるウィリアム・ケイジ中佐が、敵に何一つのダメージも与えられずに戦死してしまう。しかし、次の瞬間、彼は戦地に赴く前の時間に戻っていた。その後、何度か戦死し、また前の時間に戻ってしまう出来事が繰り返されるにつれ、ウィリアムは自分がタイムループに巻き込まれていることに気付く。
同映画は公開以降、中国でも幸先の良い滑り出しを見せた。配給会社のワーナー・ブラザーズのデータによると、上映1週目の週末の興行収入は2500万ドル(約20億5千万円)と、「X-MEN: フューチャー&パスト」や「竊聴風雲3(Overheard 3)」を抑えて映画週末興行成績でトップに立った。また、トム・クルーズ主演の映画としては、過去最高の公開1週目興行成績ともなった。中国で初めて公開されたトム・クルーズ主演の映画は05年の「宇宙戦争(War of the Worlds)」。
同映画は10日午前の時点で、中国での興行収入が1億8500万元と、世界一となっている。一方、北米では、映画評論家による映画レビューを一カ所にまとめた米ウェブサイト「ロッテン・トマト」で、トマトメーター(肯定的評価)が88%前後を維持するなど、高い評価を受けているものの、興行収入は2876万ドル(約28億7600万円)にとどまっている。中国全土でのスクリーン占有率は現在も3割以上となっており、11日にも興行収入が2億元(約33億円)の大台を突破する可能性があるため、中国と北米の差は今後さらに開きそうだ。(編集KN)