6月5日は世界環境デーだ。中国環境保護部(省)の李乾傑副部長は、4日に開かれた国務院報道弁公室の記者会見において、「全国の環境の質をめぐる状況は、ある程度改善しているが、生態環境保護については、引き続きかなり厳しい状態にある。環境保護部は、大気、水、土壌の汚染改善という『三大対策』に総力を挙げて取り組み、国民がより質の高い環境を手に入れられるよう尽力していく」と述べた。人民日報が報じた。
○厳しい状況が続く都市環境と大気の質
環境保護部は4日、「2013年中国環境状況公報」を発表した。これによると、全体的に見て、全国の環境の質をめぐる状況はある程度改善しているが、生態環境保護については、引き続きかなり厳しい状態にあり、さまざまな解決困難な課題が山積みとなっている。
主要問題のひとつとして、楽観視できない全国の水質環境状況が挙げられる。長江、黄河、珠江、松花江、淮河、海河、遼河、浙江・福建河川、西南地区河川、西北地区河川の十大水系の国家基準地表水観測断面において、水質断面比率は、Ⅰ―Ⅲ類が71.7%、Ⅳ―Ⅴ類が19.3%、劣Ⅴ類が9.0%だった。水系別の水質汚染度は、珠江、西南地区河川、西北地区河川が「優」、長江と浙江福建河川が「良好」、黄河、松花江、淮河、遼河が「軽度汚染」、海河が「中度汚染」だった。
もう一つの大きな問題は、全国の都市環境、大気の質の情勢が依然厳しいことだ。2013年1月、国内74都市を対象とした新「大気の質基準」が実施された。新基準では、PM2.5(微小粒子状物質)などの重要指標が追加された。新基準の環境モニタリングポイントとして指定された74都市のうち、基準をクリアした都市はわずか3都市(4.1%)にとどまった。
○環境整備は「大気」「水」「土壌」の汚染改善がターゲット
新政策「水十条」「土十条」を早急に制定発表
今年の「政府活動報告」では、「断固として汚染に宣戦布告」することが大きく掲げられた。李副部長は、「環境保護部は、『断固として汚染に宣戦布告』を徹底実施するための具体的行動として、大気、水、土壌の汚染改善という「三大対策」に総力を挙げて取り組む」との方針を明らかにした。「三大対策」の具体的内容は次の通り。
1 大気汚染対策
まず、「大気汚染防止行動計画」の徹底実施を図る。煙霧が頻繁に発生している特大都市や地域を重点対象エリアとして、PM2.5とPM10の発生抑制を糸口に、産業構造、エネルギー効率、排気ガスおよび建設現場の砂塵を重要ポイントとして掌握し、政府、企業、市民が共に参与する新体制のさらなる完備を図り、地域が協力して予防コントロールに努める。
2 水質汚染対策
「水汚染防止行動計画」すなわち「水十条」を早急に制定発表する。「水十条」は、「両端を着実に押さえ、中間をけん引する」をメインコンセプトとしている。「両端」の一端は、飲用水の水源など水質が比較的優れた水の水質保障事業をしっかり行い、水質の低下や退化という事態が起こらないようにすることだ。もう一端は、汚染度の深刻な劣Ⅴ類の水体、特に多くの国民が影響を受けており人々の注目度が高い「黒く悪臭がする水」を重点対象として、徹底管理を心がけ、そのような水の大幅な減少さらには完全消滅を目指す。
3 土壌汚染対策
「土壌汚染防止行動計画」すなわち「土十条」を早急に制定発表する。各種汚染源を徹底的に排除し、土壌汚染が拡大する傾向を効果的に抑制する。土壌改良修復工事を実施し、土壌の環境品質改善に尽力する。また、建設用地の開発利用に対する管理監督を強化し、環境に対するリスクを有効に抑制、排除する。 (編集KM)
「人民網日本語版」2014年6月5日