中国キャリアロケット技術研究院元党委員会副書記の李光亜氏は27日、重慶図書館で取材に応じた際に、「国家は明確な日程表を作成もしくは発表していないが、中国の月探査プロジェクトの最終目標が、月上陸、月滞在であることは間違いない」と語った。中国新聞網が伝えた。
李氏は、「中国の月探査プロジェクトは、月探査、月上陸、月滞在の3ステップに分かれる。現在進められている月探査は『嫦娥プロジェクト』と呼ばれている。そのうち月探査機・嫦娥1号は月周回の目標を実現し、嫦娥2号は月面環境の調査、高画質写真の収集などの任務を完了した。これらを踏まえた上で、嫦娥3号は2013年12月に月面軟着陸に成功した」と述べた。
李氏は、「嫦娥3号は1度で月面軟着陸を実現し、世界を震撼させた。嫦娥3号は、旧ソ連が1976年に探査機を月面上陸させた後に、初めて月面に戻った人類の探査機だ。旧ソ連の月探査機は12回の挑戦により安全着陸に成功し、米国の月探査機は4回の挑戦により成功した」と指摘した。
李氏は、「嫦娥プロジェクトはこれまでに『周回』と『着陸』を完了し、現在は『帰還』の準備を進めている。国家が公表した日程表によると、中国は2017年に嫦娥5号を打ち上げる。その目標は、月探査の成果を地球に持ち帰ることだ。中国はこれに向け、今年6月頃に西昌衛星発射センターで嫦娥5号の試験機を発射し、嫦娥5号が帰還の際に大気圏の高温に耐えられるか、軌道変更などに成功できるかを調べる」と話した。
月滞在では、月面に永久の「月面基地」を建設する。李氏はこれについて、「中国の月面基地・月宮1号は、すでに北京航空航天大学で完成しており、面積は36平方メートルに達する。規模は小さいが、人類が月面で生活するための条件を備えている。天宮1号は、今年中に公表されるだろう」と予想した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年5月5日