国家重大科技特別プロジェクト高解像度対地観測システム応用システムのチーフエンジニア、中国科学院リモートセンシング・デジタル地球研究所副所長の顧行発氏は10日、「すでに地球観測衛星・高分1号が撮影した関連海域の画像を入手し、分析を進めた。多くの船舶が見られたが、事故機は確認されなかった」と語った。科技日報が伝えた。
中国は「高分」、「海洋」、「風雲」、「遥感」の4シリーズの衛星(約10基)を動員し、マレーシア航空のMH370便の捜索活動に技術支援を提供している。
月探査機「嫦娥2号」、「嫦娥3号」の顧問である葉培建氏は、「事故現場の捜索で、衛星は力を発揮できるが、一部の条件を満たす必要がある。衛星にはさまざまな種類がある。ある衛星は電子信号の収集が可能だが、その前提は航空機の事故前もしくは事故後に有効な電子信号が出されることだ。こうすることで、衛星は通過時に信号をキャッチできるようになる。ある衛星は昼夜を問わず、可視光線、赤外線、レーダーなどにより画像を取得できる。しかし画像の鮮明度については、設備の解像度に左右される」と指摘した。
葉氏はまた、「すでに知られている場所のモニタリングの場合、調整により衛星をその場所に向かわせることができる。しかし事故現場を撮影する場合は、衛星は事故発生時にちょうどそこを通り掛かる必要がある」と述べた。
世界の軌道上の衛星は1000基弱に達しており、通信、測位、気象、地球観測などの種類がある。そのうちの一部は、一定の捜索能力を持つ。
顧氏は、「毎日多くの衛星が地球の写真撮影を行っている。森や海などで、航空機の残骸や情報が発見される可能性がある。中国の高分1号の解像度は最高で約2メートルに達する。世界のその他の衛星の場合、1メートル以内に達する。1−2メートルの大きさの目標物は、陸にあっても海にあっても撮影が可能だ」と説明した。