中国初の月面ローバー その性能に迫る(2)
月探査機「嫦娥3号」が今年12月に打ち上げを予定しており、月面探査の任務を担う中国初の月面ローバーも注目を集めている。この月面ローバーはどのような構造をしており、いかにその「月面探査の旅」を実施し、どのような調査任務を遂行するのだろうか?北京で25日に開かれた同月面ローバーの名称公募イベントにおいて、これらの問題に解答が与えられた。人民日報が伝えた。
◆性能
摂氏−180度から+150度までの極端な気温に耐え、傾斜角20度の斜面を登り、20cmの障害物を突破する能力を持つ。
日中の月面の気温は150度に、夜間は−180度に達し、その気温差は300度以上に達する。特に月面の昼と夜はそれぞれ約14日間と長く、月面ローバーは極端な気温の中で正常に任務を遂行しなければならない。極端な環境の中で任務を順調に遂行できるようにするため、月面ローバーの熱制御サブシステムは熱伝導流動回路、熱遮断モジュール、放熱設計、電力加熱器、アイソトープ熱源を利用し、−180度から+150度までの極端な気温に耐えうる。作業時のローバー内の気温は、摂氏−20度から+50度で維持できる。
また月面の重力は地球上の6分の1で、土壌がもろく凹凸が激しく、岩やクレーターが点在している。この状況の中、月面ローバーはスリップし足を取られてはならず、坂を登り障害物を突破しなければならない。この地表に適応するため、嫦娥3号の月面ローバーの移動サブシステムはタイヤ式・ロッカーボギー機構を採用した。これは車輪、ロッカーアーム、分別機構などによって構成され、前進、後退、その場での方向転換、移動中の方向転換が可能で、傾斜角20度の斜面を登り、20cmの障害物を突破する能力を持つ。
月探査プロジェクト副総指揮、月探査・宇宙プロジェクトセンター主任の李本正氏は、「月面ローバーは月面環境と障害物を感知・識別し、探査ルートの調整を行うことが可能だ。月面ローバーは月探査の際に、自主ナビゲーションと地上からの遠隔操作を組み合わせたモードを採用する」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年9月26日