月探査機「嫦娥3号」が今年12月に打ち上げを予定しており、月面探査の任務を担う中国初の月面ローバーも注目を集めている。この月面ローバーはどのような構造をしており、いかにその「月面探査の旅」を実施し、どのような調査任務を遂行するのだろうか?北京で25日に開かれた同月面ローバーの名称公募イベントにおいて、これらの問題に解答が与えられた。人民日報が伝えた。
◆構造
設計上の質量は140kgで、移動、構造・機構、測位コントロール、総合電子、電源、熱制御、観測・制御データ送信、ペイロードの計8つのサブシステムによって構成されている。中国航天科技集団公司宇航部の趙小津部長は、「月面ローバーは車両ではなく、劣悪な環境も対応し科学調査を実施できる、タイヤつきの宇宙機であり、小型化・低エネルギー消費・高度集約のロボットだ」と説明した。
同月面ローバーは太陽エネルギーを使用し、月面の真空状態、強い放射線、大幅な温度差などの極端な環境に耐えられる。
すでに公開されている模型図を見ると、同月面ローバーの主体は長方形の箱型で、底部に6つのタイヤ状の移動装置が取り付けられており、上部の二枚のソーラーパネルを翼のように開くことができる。後部には多くのアンテナがあり、右後ろ側には測位システム搭載のカメラとパノラマカメラがある。胴体部分に搭載されている「兵器」は最も多く、赤外線撮像分光装置、障害物回避カメラ、ロボットアーム、レーダー格子デバイスなどが含まれる。
趙部長は、「月の軌道に到達した後、月面ローバーは着陸機に背負われ、推力偏向液体ロケット発射機によってコントロールされる。光学・マイクロ波などの各種センサーによる測量により、月面から100メートルの高度でホバリング・並進飛行し、岩石やクレーターなどの障害物を避けつつ、最良の着陸地点を選びゆっくりと月面着陸する」と語った。
着陸機が月面でソフトランディングを成功させると、まず月面ローバーの充電と初期化を実施する。月面ローバーはその後、地上との間に通信網を構築し、ロックを解除され移動モジュールに移される。それから着陸機は乗り換えモジュールを月面に移動する。月面ローバーは乗り換えモジュールを離れ、3カ月間の月探査を開始する。
この過程において、月面ローバーは最良ルート、低燃費、少誤差のモードを採用し、能動的な減速、接近の調整、ホバリングによる障害物の回避などの段階を経て、安全着陸を実現する。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年9月26日
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