中国製スパコン「天河2号」、世界一に返り咲き
北京時間6月17日午後、スーパーコンピューターの性能を比べる専門家のプロジェクト「TOP500」がドイツのライプチヒで開催した「2013年世界スパコン大会」で、第41回世界スパコンランキングTOP500が発表された。中国人民解放軍国防科学技術大学が開発したスパコンシステム「天河2号」は、ピーク時の演算速度が1秒間に5京4900兆回、持続計算速度が1秒間に3京3900兆回に達し、倍精度浮動小数点演算の卓越した性能で1位に輝いた。中国のスパコンが首位となるのは、2010年の天河1号に続く2回目。人民網が伝えた。
中国人民解放軍国防科学技術大学は湖南省長沙市で17日、広州市人民政府、中山大学と共同で記者会見を開いた。
天河2号のプロジェクト総指揮、総設計師の廖湘科研究員は、「天河2号の開発成功、世界スパコンランキングTOP500の首位獲得は、中国の総合的な国力の向上にとって重要な戦略的意義を持ち、経済社会・科学技術発展の重大課題の解決に向け、より先進的な手段を提供した」と語った。
◆1時間の計算で、13億人×1000年分のコンピュータ計算
天河2号のプロジェクト副総指揮、報道官の李楠研究員は、天河2号の5つの特長を次のように説明した。(1)高性能。ピーク時の速度と持続性能が世界記録を樹立した。(2)低エネルギー消費。エネルギー効率は1ワット当たり19億回で、世界先進水準に達した。(3)幅広い応用範囲。主に科学工学計算を中心とし、クラウドコンピューティングをカバーする。(4)高い利便性。異種混合構成を発展させ、ソフトの互換性とプログラムの組みやすさを高めた。(5)高いコストパフォーマンス。
天河2号は170の筐体(きょうたい)から成っており、125の計算筐体、8のサーバー筐体、13の通信筐体、24のメモリ筐体が含まれる。敷地面積は720平方メートルで、内部メモリの容量は1400兆バイト、メモリ総容量は1京2400兆バイト、最大運行エネルギー消費量は17.8MW。天河2号の1時間の計算は、13億人が同時にコンピュータを1000年間使用する量に相当し、その総容量は10万字の図書の600億冊分に相当する。