翁震平氏、メタンハイドレート研究の加速を提言
雑誌「科学中国人」が主宰する「科学中国人マン・オブ・ザ・イヤー」の選考活動が行われている。中国船舶重工集団公司第702研究所の翁震平所長も候補者の1人だが、翁氏は「今は自分の『名誉』などを気にしている暇はない」と語る。翁氏は今、有人潜水艇「蛟竜号」の試験的応用に向け、山のような準備作業に追われている。翁氏が今最も注目しているのはメタンハイドレートの研究だ。
▽蛟竜号そのものではなく、科学的応用こそが目標
有人潜水艇「蛟竜号」は6月10日、試験的応用のため南中国海へと出発する。翁氏はインタビューの中で、これまでの研究開発で得た成果についてほとんど語らず、研究の不足点や、今後の重点について主に紹介した。
翁氏は「中国と世界先進レベルの間にはまだ格差が存在する。蛟竜号そのものではなく、科学的応用こそが目標であり、応用することで初めて蛟竜号の真の価値が体現される。深海設備の成果とは、実際に深海資源を開発し、海洋科学研究を実施し、海洋権益を保護する中で、より大きな役割を発揮することだ。まだ多くの重要技術を把握する必要がある」と指摘、「応用型の有人潜水艇にとって、潜水深度は作業区域の大きさを示すものでしかない。科学者が重視するのは、一定の深度において希望する作業を完了できるかどうかだ。蛟竜号の今後の技術改良では、深度ばかりを追い求めるのではなく、作業能力と使用コストの削減を重視することになる」と語った。
国家863計画海洋技術分野弁公室が蛟竜号の開発・海上試験プロジェクトの検収を行った際、専門家グループは「蛟竜号は、世界の同タイプの有人潜水艇の中で最大深度となる7000メートルの潜水を実現し、様々な高性能の海底作業能力を実現した。世界の同タイプ潜水艇と比べても十分な安全保障措置が講じられている」との見方を示した。
▽イノベーションは一朝一夕でできるものではない