量子異常ホール効果 中国人科学者が発見
清華大学と中国科学院物理研究所は10日に北京で、「清華大学の薛其坤院士率いる、清華大学物理系と中国科学院物理研究所が共同組織した実験チームはこのほど、重大な科学研究の進展を成し遂げた。磁性の入り交じるトポロジカル絶縁体フィルターから、量子異常ホール効果を実験により初めて測定した」と発表した。同実験結果は、中国科学院物理研究所とスタンフォード大学の研究チームの予想を裏付けた。この十大発見は、情報技術革命の推進を加速し、将来的にエネルギー消費量が少ない電子部品を開発できる可能性がある。人民日報が伝えた。
パソコン使用中の熱量をいかに放散するかという問題は、半導体・情報産業発展のボトルネックとなっている。量子異常ホール効果の発見は、この難題を解決する可能性があり、エネルギー消費量の少ない高速電子部品に用いることができる。科学者は、電子が強磁場を必要としない状況下、固定軌道の運動に基づき、電子の不規則な衝突により生じる発熱とエネルギー消耗を低減できる。密度集成により、将来的にコンピュータの体積が大幅に縮小され、1000億回クラスのスパコンが現在のタブレットPCほどのサイズになることもありうる。
同成果は北京時間3月15日、米サイエンス誌のウェブサイト上に掲載された。この成果は中国人科学者の長期的な蓄積、共同イノベーション、研究協力の成功のモデルであり、中国国家自然科学基金、中国科学技術部(科学技術省)、中国教育部(教育省)、中国科学院などの部門から資金援助を受けた。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年4月11日