日本とEUが急接近 EPA交渉が加速
第21回日本・欧州連合(EU)定期首脳協議が19日に日本・東京で開催された。日本からは安倍晋三首相、EUからは欧州理事会のヘルマン・ファン・ロンパイ議長と欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長が出席した。「国際金融報」が伝えた。
欧州委員会が数日前に発表したコミュニケによると、このたびの協議は日欧関係が新たな段階に入った時期に行われるものだ。今年の早い段階から、双方は日・EU間の政治や安全保障分野での協定調印をめぐる交渉を進めてきた。また日本とEUは「経済連携協定」(EPA)をめぐる交渉をスタートすることを明らかにした。
▽EPA交渉が加速
バローゾ委員長が協議に先立って述べたところによると、このたびの協議の2つの主要目標は、双方がグローバル経済の復興と安定に向けて協力し、支援を行うことだという。
日本とEUはそれぞれが巨大な経済体で、国内総生産(GDP)を合わせると世界の3分の1を占め、国際社会で重要な役割を担っている。安倍首相は政権の座について以来、EUに接近する行動を加速させてきた。
今年スタートしたEPA交渉は、安倍首相が日本の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加を表明した後に動き出した、2つ目の大規模な自由貿易協定(FTA)の交渉だ。10月までに3回の交渉が行われ、次回は2014年初頭に行われる予定だ。話し合われる予定の協定の内容には貨物貿易、サービス貿易、投資貿易の自由化や、欧日間の貿易関連ルールの制定、非関税障壁の撤廃などが含まれる。
EPA交渉は日欧が2012年の貿易収支で初めて赤字を出すという情況の中で進められている。欧州債務危機の影響が長引いて双方の貿易往来に影響するという情況は、いまだに改善の有効な手だてがない。今月18日にEU統計局のサイトが伝えた最新のデータによると、EU28カ国の日本からの輸入の減少幅が17%に達し、日本への輸出も3%減少した。EUの試算によると、欧日が自由貿易協定を結べば、EUの対日輸出は32%増加し、EUで42万人の雇用が生まれ、日本の対EU輸出も23%増加する可能性があるという。日本は日欧間のEPA締結によって欧州市場を開拓したい考えだ。日本経済新聞の報道によると、日欧がEPAを締結すれば、日本のGDPは0.24-0.27%増加し、自動車や電器製品の対欧輸出の増加にプラスになるという。