TPP交渉 敏感な議題と日本の加入が注目点に
環太平洋連携協定(TPP)第18回全体会議が、15−25日の日程でマレーシア東部の都市コタキナバルで開催される。今回は知的財産権の保護、市場参入などの敏感な議題をめぐり交渉が進められる。また日本が初めてTPP交渉に加わり、関税などの問題に関する立場を表明する予定で、注目が集まっている。経済参考報が伝えた。
◆敏感な議題
今回のTPP交渉は、「投資」、「知的財産権」、「市場参入」などのグループに分かれて議論が進められる。そのうち工業製品・農産物の関税を含む市場参入に関する議論が、今回の交渉の初日から5日間に渡り実施され、23日までに終了すると予想されている。
TPP交渉は21の分野に分かれたグループによって構成され、協定草案の29の異なる議題について検討する。5月にペルーで開催された第17回会議では、衛生・植物検疫措置、貿易保護、イーコマース、クロスボーダーサービス貿易などの主要分野について、重大な進展が実現された。
しかし共同通信社は、「マレーシアがこのほど発表したTPP交渉に関する短い文書は、協定草案の14分野、技術問題、不一致の少ない問題に関する交渉はほぼ終了したが、際立った敏感な問題を次の段階の交渉で議論しなければならないとした」と伝えた。ペルーの会議後に各国の交渉代表者も、知的財産権、環境、競争などさまざまな面で多くの課題が存在し、より長い時間をかけて貨物の調達、市場参入、サービスと投資などの問題について協議する必要があることを認めた。
また今回の交渉の主催国であるマレーシアで、TPP交渉に反対する声が高まっており、政界・商業界の関係者は同協定が本国の脆弱な貿易に影響することを懸念している。マレーシアのマハティール前首相は、「マレーシアは交渉で不利な立場になっている」と表明し、TPP交渉は透明度を高め、余り急ぎすぎる必要はないと呼びかけた。