日本企業が中国から撤退する可能性高まる (2)
▽日系企業、東南アジアへ移転か
世界的な経済危機と中国市場からのプレッシャーにより、日本経済は衰退に陥った。この局面を打開すべく、日本国内では中日関係の回復を求める声が日に日に高まっているが、一方で中国から東南アジアへと産業を移転する動きも加速している。
財務省のデータによると、日本の対ASEAN直接投資増加は昨年、前年比で倍増し、1兆5500億円の新記録を樹立した。今年1-8月、日本の対ASEAN投資は4180億円(コミットメントベースを含まず)に達し、4-6月のASEANへの外国直接投資は前年比37%増となった。
日銀の統計によると、今年第2四半期、日本の対ASEAN直接投資は前年同期比3800億円増となり、対中投資増加(3000億円)を上回った。
業界関係者は、「7月以降、日本企業の対ASEAN投資は対中投資を上回った」と指摘する。「チャイナリスク」が投資移転の最大の原因だとする分析もある。中国の平均賃金は過去5年で倍増し、頻繁に発生する労使トラブルも不安要素だ。さらに釣魚島問題が日本企業にもたらすリスクも加わった。対日関係が良好で、且つ潜在力がある東南アジアが今後、日本の新たな投資先となりそうだ。中でもフィリピンは日本にとって最も魅力的な投資先となっている。