米国の財政の崖 中国にとって最大の脅威に
米国の目前に突きつけられた財政の崖は、中国にとって真の脅威と言える。その理由は単純だ。民主党と共和党が政治的合意に達しなければ、大規模な歳出削減が12月31日より強制的にスタートするからだ。ブッシュ元大統領時代の減税策も、この日に満期となる。国際金融報が伝えた。
世界通貨基金(IMF)の調査によると、米国が財政の崖に陥れば、2013年の政府支出が大幅に減少する。減少額は米国の現在のGDPの4%にほぼ相当し、米国経済が全面的に衰退する危険性がある。
米国がこの局面に陥るかについて、筆者は否定的な態度を持っている。しかし仮に本当にこの局面に陥った場合、もしくはその他の金融政策、債務上限変更が実施された場合、中国経済は計り知れない影響を被るだろう。
周知の通り、債務危機と大不況により、ユーロ圏の消費需要が急減している。これを受け米国が再び、中国最大の輸出先となっている。中国の昨年の対欧州輸出は、輸出総額の18.8%を占めたが、この比率は今年になり低下している。これは厳しい現実だ。