「金融資産アジア2位」を冷静に受け止めるべき (3)
▽規模の大きさの背後に隠れた問題
大陸部の金融資産はデータをみる限り規模が大きいが、その背後には一人あたり平均の少なさという弱点があり、また貸出に依存して資産を増やすモデルは持続不可能という問題も隠れている。
アジアの金融資産の増加率は世界の平均水準を大きく上回るが、増加の過程には楽観視できない要因もみられる。それは個人の負債の伸びが資産の伸びを上回るということだ。アリアンツのチーフエコノミストのミヒャエル・ハイス氏は、「貸出に依存して資産の増加を促進するというモデルは持続不可能だ」と警告を発する。
アリアンツの試算によると、00年以降、中国の貸出平均増加率は18.2%に跳ね上がり、地域(日本を除く)の平均水準を大きく上回った。とはいえ、こうした情況は12年にある程度改善され、調整コントロールと経済の鈍化の影響を受けて、貸出の需要が18.6%に低下し、資産の総額は19.8%上昇した。
徐氏は、「中国はまだ発展途上国だ。GDPで日本を抜いても、総資産はまだ日本を下回る。一人あたり平均資産をみると、中国と先進国との間にはっきりとした隔たりがあることがわかる」と話し、大陸部の金融資産はアジア2位という現実を冷静に、理性的に受け止めるべきだと注意を促す。また徐氏によると、発展の過程で生じる不公平な所得分配という問題は注目されるべきだ。政府は二次分配や三次分配を正確に誘導し、みんなが豊かになるという目標を実現させなければならない。また産業構造の問題にも注意が必要だ。中国には産業構造のレベルの低さ、技術水準の低さ、制度・体制のイノベーション力の不足といった問題が今なお存在しているという。
徐氏は次のように話す。「同じ資産でも、含まれる金の量は異なる。同じ体重でも、筋肉が多い人もいれば、脂肪が多い人もいる。私たちは切迫感をもたなければならないし、心配事を憂慮するという意識をもたなければならない」。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年10月11日