高すぎる中国の輸入車 最大の原因は関税にあらず (2)
これら全てを合計すると、X5 xDrive 35iの輸入にかかる税額は約21万8000元で、国内のメーカー希望価格のわずか5分の1だ。中国市場では、輸入車が高額になることが、もはや当たり前となっている。
◆44万元は純利益? 海外小売価格の1.5倍
中国に輸入された同車種の本体価格と税額を足すと、約55万元になるはずだ。これにディーラーの検査費用や保管費などの経費を加えると、同車種のコストは57万元となる。
つまりコストが57万元の車種が、中国国内で最高101万元で販売されており、差額が44万元に達する。この差額により生まれた利益は、ディーラーに独占されているわけではない。
我々は外国メーカーのCIF価格を知ることも、これをコントロールすることもできない。33万元というCIF価格は、実際の価格とやや異なる可能性があるが、この44万元の利益は外国メーカーと中国国内のディーラーによって山分けされている。
メーカーとディーラーの利益が、商品そのものの価値(本体価格を30万元とした場合)の約1.5倍に達している。これでも低く見積もった方と言える。一方でこれまで輸入車価格を不当につり上げている主因とされていた関税は、実際にはメーカー希望価格の5分の1も占めていないことになる。輸入車は驚異的な暴利を手にしている。