クアルコムが出資 シャープ第3の株主に (2)
任氏は、「シャープは出資を受け、現在の資金面の圧力を効果的に緩和できる。これはシャープの発展にとって重要なターニングポイントであるが、劣勢を挽回できるかについては、今後の経過を見守る必要がある。シャープは将来的に事業の重心をスマートフォンに移す可能性がある。スマートフォンは市場拡大が期待されており、シャープは順調にモデルチェンジを行えば、テレビ市場の判断ミスを補える」と語った。
任氏はまた、「シャープは今後、消費者の好みと市場の需要に対して高い敏感度を維持し、技術を重視し市場を軽視することの再発を防がなければならない。シャープのスマートフォン・テレビ事業への投資は、企業の発展状況に基づき適切に実施しなければならない。クアルコムがシャープ第3の株主になったことは、家電市場全体に与える影響は小さいが、シャープの今後の発展方向に重要な影響を与える」と予想した。
◆険しい提携の道
シャープは提携探索の道で、紆余曲折を経ている。最も印象に残っているのは、鴻海精密工業(ホンハイ)との蜜月関係の終了だろう。
シャープの奥田隆司会長は昨年3月、世界最大のEMS企業のホンハイと資本・経営面で提携すると表明した。ホンハイは2013年3月下旬までに、シャープ株の約9.9%を保有し筆頭株主になり、さらに大型液晶パネルを生産する堺工場を共同経営していた。しかしシャープの株価続落に伴い、ホンハイによるシャープ株購入が先送りされた。