「定年の漸進的引き上げ」の解説(3)三大特徴
第18期三中全会は「定年の漸進的引き上げ政策を研究、策定する」方針を決定した。胡暁義・人的資源社会保障部副部長(次官)はこれについて「党中央が中国の経済・社会発展の全局的、長期的、戦略的観点に立って行った重要な政策決定だ」と述べた。新華網が伝えた。
「全局的とは、この政策が多くの分野に関わり、総合性が強く、経済・社会発展にも重大な影響を及ぼす政策であるということだ」。胡氏は「長期的とは、この政策が1、2年や10数年だけを考えたものではなく、相当長期間に及ぶ制度設計であるということだ。戦略的とは、この政策は中国が人口構造の変化に対処し、人的資源を十分に活用して、強みを発揮し、国力を強化することに関わるということだ」と述べた。
中国の現行の定年は男性60歳、女性幹部55歳、女性労働者50歳だ。これは1950年代初めの「労働保険条例」と機関・事業単位(国家が社会公益目的のため、国家機関により運営あるいはその他組織が国有資産を利用し運営するもので、教育、科学技術、文化、衛生などの活動に従事する社会サービス組織)の定年退職の関連政策に基づく規定であり、今なお実施されている。「建国初期の中国の平均寿命はわずか40歳前後であり、当時の労働条件、健康水準、男女の生理的違いなどの要素に基づき定められたものであり、実情に沿っていた」。胡氏は「現在、中国国民の健康水準は大幅に向上し、平均寿命も74歳(都市部ではさらに高い)に達したが、企業従業員の男女の実際の退職年齢は平均54歳で、明らかに低い」と述べた。
胡氏によると現在世界170カ国・地域の定年は男性は60-65歳、女性は60歳に集中している。1989-2009年の20年間に、65カ国が定年を引き上げた。定年は男性で平均60.01歳から61.01歳に、女性で平均57.87歳から59.38歳に上がった。高齢化に突入した国は、いずれも定年引き上げ政策を実施または準備している。異論はあるものの、すでに一般的な趨勢となっているようだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年12月11日