英語を操りシェークスピアを読む、元英語教師の清掃夫 (2)
○英文サイトにアクセスし、英語の歌を聴くのが好き
李さんは、取材中ほとんど英語で受け答えをし、会話の中では、「地球村」「国連」「インターネット」などの言葉が次から次へと飛び出した。彼は、「2008年、当時大学生だった息子がコンピュータを購入し、インターネットへの接続方法を教えてくれた。インターネットを通じて、自分の世界が大きく拡がった」と話した。
李さんの息子・李輝雷さんは、「父は、いつもネット上で英文サイトにアクセスしている。オンラインニュースを閲覧するときは、いつも英語のニュースを読んでいた」と話した。また、李さんはネット上で、海外の有名人の講演や英語の歌をよく視聴しているという。
李さんの妻も中学・高校の教師をしていた。夫が北京で清掃夫の仕事に就くと聞いた妻は、最初は賛成しなかった。「自宅で英語を教える仕事を続けていれば、疲れることもないし、ある程度の収入も得られる。わざわざ北京に出て清掃の仕事をする必要があるのだろうか。自宅の補習クラスの生徒たちは、夫が帰ってくるのを待ち続けている」と妻は語った。
だが、息子の李輝雷さんが両親の間に入り、母親を説得したことで、妻も徐々に夫の選択を受け入れるようになった。