英語を操りシェークスピアを読む、元英語教師の清掃夫
17日、「北京の清掃夫が、早口の英語でまくしたてる」動画がネット上にアップされ、多くのネットユーザの驚きを誘った。動画には、色黒で顔中皺だらけの清掃夫が、流暢な英語で質問者とやり取りしている様子が映っている。彼の口からは、「civilization(文明化)」といった高尚な語彙が時折飛び出し、彼自身、「ハムレット」「ロミオとジュリエット」「マクベス」などのシェークスピア作品を読破したと語った。新京報が伝えた。
この清掃夫は、かつて山東棗庄の中学・高校で英語を教えていたと自ら話している。9月に北京に出てきて清掃の仕事を始めた後、英語で外国人に道案内を行い、より多くの人に英会話を教えるために英語補修クラスを開講する準備を進めているという。
○英語で外国人に道案内
この清掃夫の名前は李景昂さんで、今年56歳。かつて山東棗庄第十中学で英語教師をしていた経験があるという。退職後、妻とともに自宅で補修クラスを開き、20人以上の学生を対象に、自分は英語、妻は数学を教えていた。
自分がネットの人気者になったことについて、李さんは、次のように振り返った。
国慶節連休中、地下鉄南銅鑼巷駅の入り口で2人のスウェーデン人と英語で会話していた時、多くのやじ馬が集まってきた。その中の若者が、英語で「インタビューしても良いか」と尋ねてきたので、喜んで応じた。その日の野次馬の1人だった匡さんは、李さんに「自宅で息子に英語の補習をしてもらえないか」と頼んだという。
李さんは、「9月4日、一人で北京に遊びにきた。天安門から北池子大街まで歩いている間に、北京に住んでみたいという考えが浮かんだ。ホテル生活は高くつくので、仕事を探さなくては、と思った。北池子大街に着いて、道路を清掃している清掃員の姿を見て、清掃員の欠員があるかどうかと尋ねた。その夜、北京市東城区環境衛生所と1年間の労働契約を取り交わした」と、北京に出て来るまでの経緯を英語で語った。
李さんは、地安門東大街の道路清掃を受け持った。南銅鑼巷に近いため、外国人観光客からしょっちゅう道を聞かれた。彼は本領発揮とばかり、英語で道案内をした。英語による道案内のほか、人々に英語を無料で教えた。地安門東大街の交通協力管理員を務める何さんも、彼の生徒のひとりだ。