中国-欧州の貨物鉄道「渝新欧」を観光に活用へ
中国の重慶市から新疆維吾爾(ウイグル)自治区、カザフスタン、ロシア、ベラルーシ、ポーランドを経由してドイツのデュイスブルクに到達する貨物鉄道「渝新欧鉄道」(全長1万1179キロ)は現在、「新シルクロード」と呼ばれている。同路線の利用度が日に日に高まるにつれ、沿線の地域の政府は観光の発展に活用できないかと期待を高めている。中国新聞社が報じた。
同路線に沿って車で旅し、沿線に眠っているビジネスチャンスを探るメディア向け特別イベントに参加していたメディア関係者一行の車両が8月28日、約1カ月半の行程を経て、ロシアのモスクワに到着した。
記者らは同行程で、多くの中国人観光客の姿を目にした。例えば、モスクワにある旧ロシア帝国の宮殿クレムリンでは、現地の業者が中国人観光客に、中国語を使って切手やバッジなどのお土産を販売していた。
ロシア連邦観光省国際協力部の責任者は、「いかなる交通ルートも観光の促進につながる。『渝新欧』も観光の面で大きな役割を果たすようになるだろう」と指摘、「ロシアを訪問する観光客のうち、中国人観光客は2番目に多い。近年、中国人観光客の数は大幅に増加しており、このままいけば2-3年以内にトップになるだろう。中国とロシアのが観光面で協力すれば、明るい前途がある」と期待を示した。
「渝新欧」の出発地点であり、豊富な観光資源を誇る重慶市も「新シルクロード」をめぐる観光業の発展に大きな期待を寄せている。2013年7月、同市で開催された中国と中東欧16カ国の指導者が集まる会議で、同市人民政府の黄奇帆・市長は、「『渝新欧』は、観光市場の開拓など、沿線の国の国民の交流を強化するのに一役買う」と「渝新欧」をPR。「近年、重慶では海外旅行の人気が高まっている。重慶と中東欧の各省、区、市は観光商品のアイデアを出し合い、共に観光路線、観光ルートを開発し、『渝新欧』の観光便を増設することも検討できる」と、観光業の発展を含む協力強化の提案5項目を挙げた。
ロシア連邦観光省の前出主任も、「『渝新欧』は中国人観光客が従来のロシアの観光スポットを訪問するだけでなく、ロシアの他の都市を訪問するルートにもなるだろう。また、ロシアを中継地点とし、欧洲に観光に向かうこともできる」と、観光業発展の未来予想図を描いている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年9月2日