福島第1原発問題を無視する日本政府 安倍首相は恥をかくことに
香港紙・文匯報は22日付記事で「日本の福島第1原発の汚染水漏出問題は深刻だが、安倍晋三首相は依然原発再稼働を公言している。これは固執し、反省せず、過ちを認めぬ日本当局の姿勢を反映している」「福島第1原発の問題は全世界が注視している。相次ぐミスによって、すでに日本は国際社会で恥をかいている。もしこれ以上原発問題を直視しないのなら、安倍首相は歴史の『恥辱の柱』に釘付けにされるだけだ」と論じた。中国新聞網が伝えた。
東京電力は福島第1原発の貯蔵タンクから約300トンの汚染水が漏出し、すでに海に流出した可能性もあることを確認した。東電はその原発事故処理方法を非難され続けてきた。原子力規制委員会委員は、東電職員による見回り点検がいい加減で、漏出の兆候複数を見逃し、漏出を早めに防止できなかったことを告発した。原子力規制委員会は今回の漏出を原発事故の国際評価尺度(INES)で「レベル1」から「レベル3」(重大な異常事象)に引き上げた。だが更田豊志委員は東電の提供したデータの信憑性を疑問視。実際の状況はもっと深刻なのではないかと懸念している。
原子力改革監視委員会のクライン委員長(元米原子力規制委員会委員長)は、先月末に汚染水管理体制の強化を促したものの、東電の姿勢は協力的でなかったことを明かした。クライン氏は「東電は場当たり的な対処を繰り返すのを止め、効果的な管理体制を築かなければならない」と批判。東電の対応はしばしば遅く、漏出を極力隠そうとしている印象を受けるとして、透明性を高めて人々の信用を取り戻すべきだと指摘した。また、電力供給の維持に専念できるよう、原発事故処理を独立機関にゆだねることも提案した。
記事は「日本の福島で一昨年、1986年のチェルノブイリ原発事故以来最も深刻な原発事故が起きたが、2年以上経った今日もなお放射能の暗雲は取り払われていない。日本のこれまでの両内閣は原発問題を座視。現在の安倍首相は全国の原発の再稼働を公言してすらいる。常軌を逸した言動であり、固執し、反省せず、過ちを認めぬ日本当局の姿勢を反映している」と指摘した。
安倍首相は首相に返り咲いて以来、景気刺激策と金融緩和政策を推し進め、エネルギー費を押し上げて、低コストの原発の再稼働に理由を与えようとしている。安倍首相は今年5月にトルコを訪問した際、日本企業による総額220億ドルの契約獲得に助力した。地震活動の活発な地域に原子炉を建設するとは、日本が福島第1原発事故の教訓を全く反省していないことを一層はっきりと示している。
記事はまた「日本の政府と企業は緊密な協力体制にあり、政財界は複雑で入り組んだ関係にある。これは東京電力が長年、原発施設管理に十分な努力を払わず、福島第1原発事故の処理作業がしばしば非難され、今にいたるも誰一人原発事故で責任を取らず、引責辞任していない理由を物語っている。福島第1原発では最近また汚染水漏出事故が起きた。『免罪符』を与えられている東電上層部が処罰される可能性は小さく、放射能の脅威にさらされる海洋生態と日本の庶民を苦しめただけだ」と指摘した。
福島第1原発の問題は全世界が注視している。相次ぐミスによって、すでに日本は国際社会で恥をかいている。もしこれ以上「経済」に惑わされた両目を開いて原発問題を直視することをしないのなら、いかに「アベノミクス」が市場の拍手を勝ち得ようと、憲法改正と軍拡で右翼勢力の歓心を買おうと、安倍首相は歴史の「恥辱の柱」に釘付けにされるだけだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月26日