中国人は濃い味が好き 健康リスク高まる
9日から15日までが春節(旧正月、今年は2月10日)連休となった中国。連休期間中に、親戚や友人と再会し、共にごちそうをたらふく食べたという人も多いことだろう。ただ、暴飲暴食は健康にさまざまな害を及ぼす。ある報道によると、春節期間中、消化器系の疾病や心臓疾患など、いわゆる「春節病」の患者でいっぱいになったという病院も多かった。その原因の多くが「食べ過ぎ」という。中国青年報が報じた。
中国誌「小康」は2012年11月末から12月の初め、清華大学(北京)の媒介調査実験室と共同で、中国全土で、飲食に関する調査を実施。食事に関して、「味を重視する」と回答した人が最も多く36.2%だった。中国人が最も好む味は「辛い」だ。
同雑誌が10年、12年、13年に発表した、中国人が最も好きな味ランキングでも、「辛い」がいずれもトップ。その後に「甘い」、「塩辛い」、「酸っぱい」と続く。一方、ワースト1位は「苦い」だ。
調査ではさらに、肉の串焼きなどの食品は一般的に「ジャンクフード」と見られているにもかかわらず、43.0%が「街頭で売っている食品のうち、最も好きで、頻繁に食べる食品」と答えトップの割合だった。また、3位以下も「揚げパン」、「塩・醤油漬け食品」、「マーラータン(串に刺した練り物や野菜などを激辛スープで煮込んだ屋台料理で、日本のおでんのようなもの)」、「ポテト」と、油っこいものや塩辛いもの、辛いものが並び、中国人は濃い味が好きであることが示されている。
「濃い味が好き」ということは、実際にはあるものを過度に摂取することによって、強い刺激を求めているということだ。現在、人々の生活のペースはますます速くなっており、食べ物に刺激を求めるのも、生活上のストレスを発散させる方法の1つになっている。北京安定病院臨床心理科の西英俊・医師は、「厳密に言うと、『辛い』は味ではなく、熱傷による刺激。この種の刺激がもたらす痛みは、脳内で機能する神経伝達物質・エンドルフィンの分泌を促し、人に快感を与える。現在、多くの人が、食事や娯楽を通して、ストレスを発散することや夢中になることを求めている。これは自虐的な快楽追求。人々は普通の食事では満足できなくなり、ぜいたくなものや珍しいものを求めるようになっている。娯楽の面でも、本やテレビだけでは満足できず、音楽ではヘビーメタル、映画でも刺激ある大作を求めている」と指摘する。