中国の「今年の漢字」は「微」 流行語に「莫言」
【中日対訳】 年の瀬を迎え、今年を締めくくる行事が各方面で実施されている。中でも、中国でも注目が高い2012年の世相を1字で表す「今年の漢字」は「微」が選ばれた。「微」のほか、「表」、「檸」、「習」、「国」、「来」、「去」などの候補の中から、中国の雑誌「新周刊」が選考し、このほど山東省青島市で開催されたイベントで発表した。同誌が「今年の漢字」を発表するのは初めて。このほか、「2012流行語10選」にはノーベル文学賞を獲得した「莫言」や中国国営中央テレビ(CCTV、日本のNHKに相当)が実施した街頭インタビューで話題になった「幸せですか?」というフレーズが入った。北京青年報が報じた。
日本でも12日、漢字能力検定協会が「今年の漢字」を「金」と発表。「金環日食」やオリンピックの「金メダル」が理由だった。また、今年性スキャンダルが続発したシンガポールの今年の漢字は、色情を表す「色」だった。一方、中国語言資源監測・研究センターなどが選ぶ「今年の漢字」も現在選考中だ。
「新周刊」の選考委員会は「微」を選んだ理由に関して、▽中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」がユーザー数3億6千万人を誇るようになり、影響力ある与論を形成するようになったこと▽テンセントが提供するインスタントメッセージQQのスマートフォン 用アプリ「微信」のユーザーが2億人の大台を超えたこと▽ボランティアや義援金送付などの支援がミニブログの「微公益」で可能になったこと▽北京が7月に豪雨に見舞われた際、152人のボランティアが「お金はいらない。助けに来たのだ」と述べ、「微言(簡単な言葉)」で「大義」を成したこと▽背が低く容姿も劣り、しかも収入の低い(中国の四文字熟語で「身微力薄」という)、いわゆる負け組男性のことを表す「吊絲」(ディアオスー)という言葉が流行したこと---などを挙げ、「1年を総括するのに最もふさわしい」とした。
「今年の漢字」が発表されたイベントでは、出席していたCCTVの人気キャスター白岩松氏が、「微」について、「社会の進歩を促進するものの『微小』な我々一人ひとり、岸に打ち上げられ、二度と沈むことない人々の声、目に見え耳に聞こえる人々一人ひとりを指す」と解説した。
一方、2012年の「流行語10選」には、「十八大(中国共産党第18回全国代表大会)、「釣魚島(日本名、尖閣諸島)」、「幸せですか」、「香港」、夏に70人以上が犠牲になった「北京暴雨(豪雨)」、食をテーマとしたドキュメンタリー番組「舌尖上的中国(舌で味わう中国)」、人気オーディション番組「中国好声音(The Voice of China)」、「莫言」、マヤ族の人類滅亡説で話題になった「2012」、「江南(カンナム)スタイル」が選ばれた。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年12月19日