中国海洋発展報告「海洋権益闘争が困難さを増す」
「海洋の施政方針表明」と称される「中国海洋発展報告2013」が8日公表された。報告は「2012年にわが国の海洋権益維持闘争は重大な勝利を得た。有人潜水艇『蛟竜』、海洋衛星に代表される海洋ハイテクの発展は重大なブレークスルーを遂げ、海洋新興産業を代表とする海洋経済は力強い後続効果を顕示した」と指摘。「2013年に中国の海洋事業はさらに厳しい試練を迎える。日に日に海洋権益闘争は困難さを増し、海洋空間の争奪は激しさを増し、海洋環境改善任務は緊迫の度を高める」とした。
■黄岩島の権益維持闘争で主導権を掌握
海洋権益維持は昨年、海洋における最大の焦点の1つとなった。報告は「昨年、釣魚島(日本名・尖閣諸島)パトロールにおいて段階的勝利を収め、黄岩島(スカボロー礁)権益維持闘争で主導権を掌握し、海洋法公布というベトナムの権利侵害行為に力強く反撃し、わが国の東中国海の一部海域の200海里外大陸棚確定案をまとめ、提出した。海上権益維持部隊である各海上法執行部隊は自らの職責を忠実に履行し、中国の管轄海域内で権益維持目的のパトロールを展開した。黄岩島と釣魚島の権益維持目的のパトロール過程において中国海監と中国漁政は緊密に連携し、柔軟で機動的な海上戦術によって権益維持目的の法執行の段階的勝利を収めた」と指摘した。
■省・市が地方海洋環境保護規定を制定
今回の報告は地方海洋法の整備に初めて注目した。これについて報告の編集主幹を務めた国家海洋局海洋発展戦略研究所の賈宇副所長は「近年沿岸海域の水質汚染が深刻で、海洋環境・海洋生態システムが破壊されていることを沿海地方の立法機関が重視するようになったためだ。現在までに海南省、天津市、大連市、寧波市などの省・市が計7本の海洋環境保護規定を定めた。全体的に見て、こうした新たな規定に基づく海洋環境保護制度はより厳格で、保護措置もより実効性あるものとなっている」と説明した。