(五)人間を核心とする新しいタイプの都市化を推し進める
都市化は、現代化を実現するうえで必ず通らなければならない道であり、都市と農村との二元構造を打ち破るうえで頼みとすべき重要な拠り所である。都市と農村の発展が一体化する体制と仕組みを整え、「人民の利益を第一に考えること、工業化・情報化・都市化・農業現代化を並行して進めること、配置を最適化すること、エコ文明を発展させること、文化を伝承すること」を旨とする新しいタイプの都市化の道を一貫して歩み、発展の法則に従い、積極的かつ着実に推し進め、質的向上に力を注がなければならない。今後一定期間は、今わが国が抱えている「三つの1億人」の問題をしっかりと解決するよう力を注ぐ。つまり、農業からの移転人口約1億人の都市戸籍への転籍を促進し、約1億人が暮らしている都市部バラック地区と「城中村」(都心にある村)を改築し、約1億人の中・西部地区内での都市化(市民化)を導く。
農業からの移転人口の市民化を秩序立てて推し進める。戸籍制度の改革を促進し、都市規模に基づく差別化転籍政策(今後の発展の余地や人口的余裕などを考慮して都市の規模を基準に受け入れ数に差をつけた政策)を実行に移す。能力や意欲があり、しかもすでに都市部で各種の労働や商売を長年続けている農民工については、その家族ともども、徐々に都市部の戸籍にしていく。まだ転籍が済んでいない農業からの移転人口への対応策としては、居住証制度を設ける。出稼ぎ労働者に随伴して都市部に移ってきた子供のより多くがその都市の学校に入り、滞在先で進学できるようにするとともに、農民工向けの職業技能向上計画を実施する。都市部の基本的公共サービスが常住人口全体に行き渡るよう着実に取り組みを進め、農業からの移転人口と都市部住民が共同で現代的都市文化・生活を築き、分かち合うようにしていく。
中・西部地区の新しいタイプの都市化への支援を拡大する。産業発展力と人口集積力を高め、農業からの移転人口が近場で就職できるようにしていく。交通・水利・エネルギー・都市施設などのインフラ整備をさらに急いで推し進め、中・西部地区の都市群と都市の発展の持続力を増強する。東部地区の都市構造を最適化し、都市化の質とレベルをいっそう向上させる。
都市化の管理の刷新と仕組みの構築を強化する。より大規模にバラック地区の改築を速め、高層ビルが立ち並ぶかたわらにバラック地区が広がっているなどということが絶対にないようにしなければならない。国家新型都市化計画を導きとして、関連計画をしっかりと総合的にかみ合わせるようにする。都市部の建設用地の使用効率を引き上げ、公共交通を優先的に発展させ、歴史的文化と自然景観を保護し、ワンパターンの都市再開発を防ぐ。小都市と村の整備計画に対する管理を強化する。農業からの移転人口の市民化に必要なコストの分担の仕組みや都市建設への多元的な投融資の仕組みの構築を模索する。建設と管理の水準を高めることで、われわれの都市をそれぞれ特色があり、働くにも住むにも快適で、いっそう活気に満ち溢れた場所にしていく。
(六)イノベーションによって経済構造の最適化と高度化を支え、牽引する
イノベーションは経済構造の調整・最適化の原動力である。イノベーションを国の発展全局の中心に位置づけ、科学技術と経済・社会発展との緊密な結びつきを促進し、わが国の産業がグローバル・バリューチェーンのハイエンドへと高度化するよう促さなければならない。