中日韓FTA、日本が避けて通れない道 (2)
中日韓自由貿易圏がひとたび成立すれば、日本に一層の経済的利益をもたらすだろう。だが安倍政権はTPPにより熱心だ。日本の麻生太郎副総理兼財務相は先月米国で「アベノミクス」の「三本の矢」について、金融緩和政策と財政出動による景気刺激策以外のもう1本の重要な矢がTPP、規制緩和、イノベーション促進を含む包括的成長戦略であることを重ねて表明した。
同様に地域経済の自由化を目指している協定に対する安倍政権の不公平な扱いは、東アジア政治の相互信頼の欠如を浮き彫りにしている。領土紛争、歴史問題、軍事力建設、中日間のたゆまぬ衝突と競争。
英紙フィナンシャル・タイムズはある記事で「中国との関係悪化で最も損失を被っているのは日本だ。日本は中国のような多様な貿易パートナー関係を持たないうえ、その経済成長といくつかの大企業の健全な発展は依然として中国の消費市場に大きく依存している」と指摘した。
日本は中日韓FTAのもたらす実益を放棄することはできないし、自国さらには東アジア地域の「中国依存症」を激化することも望んでおらず、他のルートを通じて均衡を図ることしかできない。さしあたり経済的利益より政治戦略を優先させることは、安倍政権にとって一つの手だ。中日韓自由貿易圏は構想誕生当初から紆余曲折を経てきた。三カ国にもたらすであろう経済的利益については早くから各国の研究機関により論証が重ねられてきたが、正式な交渉に入るまでまるまる10年もかかった。今後も一層の曲折を経る可能性がある。
いずれにせよ、中日韓FTA交渉を軽々に放棄することは安倍政権にもできない。国内政局の安定は、経済成長に大きく依存している。「Japan is back」の夢を実現するには、日本は経済立て直しという難題を避けて通れないし、中国の台頭を避けることはなおさらにできない。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年5月6日