読み続けられない本ランキングのトップ10に名著が
読書は非常にありふれた行為だ。改革・開放の初期、人民全体で読書ブームが盛り上がったことがあった。その原因はわかりやすい。それまでの10年にわたる文化の荒廃がもたらした読書への渇望だろう。当時のブームでは社会全体が新聞から雑誌、書籍にいたるまで読書ブームに沸き、書籍店主は先に豊かさを手に入れた人々の一員となった。数十年が過ぎたが、現在の人間の読書習慣にはどのような変化が見られるのだろう。京華時報が伝えた。
広西師範大学出版社はこのほどインターネットで「読み続けられない本ランキング」を実施し、3千件近くの微博(ミニブログ)から募った意見を集計して次のような結論を得た。「紅楼夢」が「最も読むに耐えない」本として読者からトップに選ばれたのだ。それだけではなく、中国古典の四大名著が全てランクインしたのにとどまらず、「百年の孤独」「失われた時を求めて」「ユリシーズ」「ウォールデン 森の生活」といった外国の名著も「不幸にも」トップ10入りを果たしている。
こうした結果は意外なものではない。この結果はある現実の問題を反映するものだろう。
つまりオンライン調査というものの不確実さを表しているのだ。3000人のサンプルは読書層を代表することはできず、サンプルの割合が小さすぎるのだ。また、愛読家や読書嫌いが混在する状況下で調査を行っても、深刻なテーマの文学作品が低い評価になるのは当然と言える。
もっとも内容と調査対象との整合性を強調すると同時に、各タイプの読者の割合も注視すべきだろう。読書や審美眼というものには大きな開きがあり、それは対象者のレベルを表すものではなく、読書や審美行為の難易度を表すものだ。深く閲読するのは難易度が高く、高い水準の審美眼には基礎が必要だ。
現代のネットワーク社会で人々は細切れの閲読体験に囲まれ、深く読書する機会はゼロとは言わずとも減少している。今回の調査研究は科学的とは言えないが、問題を考えさせられるという意味では意義を持つだろう。(編集YH)
「人民網日本語版」2013年6月27日