中国農業科学院哈爾浜(ハルビン)獣医研究所が5日に明らかにしたところによると、同研究所の研究員で中国科学院院士の陳化蘭氏のチームは、現在世界で猛威を振るっているH5N1鳥インフルエンザウイルスの起源、進化、時空間伝播の特徴を体系的に解明するとともに、中国で確認されたH5N1ウイルスの体系的な生物学的研究を行った。これに関連する研究結果は「Emerging Microbes and Infections」誌に掲載された。新華社が伝えた。
研究によると、現在流行しているH5N1ウイルスは2020年10月に欧州で見つかったもので、H5N8鳥インフルエンザウイルスとH1N1やH3N8などの亜型の再編成によってできた。20年10月から21年8月にかけて、この新型H5N1ウイルスが西欧、北欧、東欧の複数の国の家禽と野鳥の間で流行し、そして多くのアフリカの国に広がった。21年9月より欧州で鳥インフルエンザの大流行を引き起こした上、アジアと北米の複数の国に広がった。
研究によると、現在世界的に流行しているH5N1ウイルスは、自然界のさまざまな野鳥由来の鳥インフルエンザウイルスと複雑な遺伝子再構成を行い、16種の遺伝子型を形成した。中国では4種の遺伝子型が確認されている。
チームの説明によると、これらの世界で流行しているH5鳥インフルエンザウイルスは野鳥を介して中国に入っているが、ワクチンの保護効果により中国の家禽に実質的な危害は生じていない。
陳氏のチームは抗原性分析により、中国で現在使用されているH5-Re14ワクチンの適合性が高く、H5・H7三価鳥インフルエンザウイルス不活化ワクチンがこのH5N1ウイルスの家禽への感染を効果的に遮断できることを証明した。チームのメンバーはこのH5N1ウイルスが世界の野鳥の間で広く分布していることから、高リスク国に対して家禽にH5亜型鳥インフルエンザワクチンを打ち、ウイルスが野鳥から家禽に感染するのを効果的に遮断することにより、人の健康への脅威を効果的に減らすよう呼びかけている。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年7月7日