NATOは先ごろ開催された首脳会合で、いわゆる新「戦略概念」を採択して、中国の国内政策と対外政策を公然と歪曲し、中国がNATOの利益・安全保障・価値観に挑戦を突きつけており、中国という「システミックな挑戦」に共同で対処すると言明した。NATOが中国に関する嘘を作り出して流布し、「中国の挑戦」を力の限り誇張するのは、この組織に今も習慣的に冷戦思考が燻り続け、イデオロギー的偏見が膨らみ続けていることによるものであり、NATOがアジア太平洋地域にまで手を伸ばす後押しをするための口実を探す米国の拙劣なパフォーマンスだ。NATOの行為は対抗と対立を扇動し、世界の安全保障を脅かすものであり、地域諸国や国際社会はこれに強く警戒しなければならない。(人民日報「鐘声」国際論評)
中国は自主独立の平和外交政策を堅持しており、常に世界の平和的発展のプラスのエネルギーとなってきた。中国はこれまで主体的に戦争を引き起こしたことはなく、他国の土地を一寸たりとも侵略したこともなく、他国の内政に干渉したこともなく、イデオロギーを押し付けたこともなく、ましてや「管轄権の域外適用」や一方的制裁、経済的威圧をしたこともない。中国は平和的発展路線を堅持し、人類運命共同体の構築を後押しし、「一帯一路」(the Belt and Road)の質の高い共同建設を推進し、グローバル発展イニシアティブとグローバル安全保障イニシアティブを提唱・実践し、平和的発展など重大な問題の国際社会による解決のために数多くの公共財を提供してきた。絶えず発展し強大化する中国が世界にもたらすものは、平和的発展という素晴らしいチャンスであり、NATOの憶測する「システミックな挑戦」では断じてない。NATOが事実を顧みず、白黒を逆さまにし、意図的に中国を中傷しても、事実や真実を変えることはできず、中国に対する国際社会の肯定的な見方を変えることもできない。
NATOは冷戦の産物であり、日増しに米国の覇権維持と「新冷戦」扇動の道具へと成り下がりつつある。NATOが、いわゆる新「戦略概念」文書で初めて中国に言及したことは、力の限り脅したりすかしたりする米国の手法と密接に関係している。米国の現政権は、前政権の間違った手法を継承し、引き続き中国を「戦略的競争相手」と見なし、至る所で徒党を組んで、中国を封じ込め、叩いている。今回のNATO首脳会合が「中国の挑戦」の誇張をエスカレートさせただけでなく、アジア太平洋地域における米国の同盟国を抱き込んで参加させたことは、まさに中国封じ込めのためにNATOのアジア太平洋化とアジア太平洋のNATO化を推し進める米国の戦略的企てである。NATOが中国を「システミックな挑戦」と位置づける以上、中国もこれに細心の注意を払い、統合的に対処せざるを得ない。中国の正当な利益を侵害するいかなる行為にも、中国は断固として力強く反撃する。
冷戦終結から30年以上経つが、NATOは冷戦思考から抜け出せず、人為的に「敵」を作り出すことを止めず、世界の安全保障と安定に対する真の「システミックな挑戦」となっている。NATOは、自らの絶対的な安全保障を追求するために東への拡大を続けた結果、ウクライナ危機という悪い結末を引き起こし、欧州と世界の平和的発展に深刻な打撃を与えた。NATOは対外的に拡張し、戦乱を生むたびに、「民主主義の強化」「安定の拡張、共通の価値観の推進」といった輝かしい旗印を掲げる。現在、NATOがアジア太平洋撹乱の企てを「国際秩序を維持し、価値観を守るため」と取り繕っているのも、完全な常套手段だ。ソラナ元NATO事務総長は「NATOが全世界に手を伸ばせば、分断した世界を作り出すことになる」ことを認めた。
とうに時代後れとなった冷戦のシナリオを、アジア太平洋で繰り返しては断じてならず、欧州で現在起きている動乱や戦乱を、アジアで起こしては断じてならない。中国に対する根拠なき非難や挑発的言動を直ちに止め、冷戦思考やゼロサムゲームという時代後れの考えを捨て去り、欧州を混乱させ、アジア太平洋を混乱させる危険な行為を放棄するよう、NATOに厳正に告げる。歴史の潮流に逆らって動くいかなる勢力の企ても、必ず失敗に終わるだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年7月5日