韓国政府が第二次世界大戦中の日本による労働者強制徴用被害者(徴用工)への賠償問題の解決のために設置した官民協議会が4日発足し、韓国社会ではこの問題への関心が再び高まっている。新華社が伝えた。
近年、日韓関係は労働者強制徴用や「慰安婦」など歴史の残した問題のために深刻に悪化している。犯罪行為を極力うやむやにし、少しも反省せず、過ちを悔い改めない日本の行為に対して、韓国世論は「日本の人権侵害の否認は許されず、責任回避は許されない」と指摘する。
■労働者強制徴用被害者への賠償を拒否
日本は朝鮮半島を植民地支配した1910年から1945年までの間、大量の労働者を強制徴用して日本で重労働に就かせた。韓国側統計によると、朝鮮半島で強制徴用された労働者は78万人にも上る。こうした労働者は、往々にして甘言や脅迫によって日本で労役に就かされ、非人道的待遇を受けたのであり、痛めつけられて死亡した者さえ少なくない。
長い間、韓国の強制徴用被害者とその遺族は日本側に賠償を求める訴訟を繰り返し起こしてきたが、日本政府と関連企業は、1965年に両国間で締結された「韓日請求権協定」によって賠償問題は「解決済み」として、賠償を拒否してきた。2018年、韓国最高裁は3件の賠償請求訴訟について、「韓日請求権協定」は強制徴用被害者が企業を訴えることを妨げていないと認め、関係する日本企業に原告への補償を命じる最終判決を下した。これに対し、日本側は韓国側を「国際法違反」と非難したうえ、半導体産業の重要材料の一部について韓国への輸出を規制する経済的対抗措置を取った。これは韓国の官民の強い不満を買い、日韓関係は冷え切った。
日本は強制徴用被害者への賠償を拒否するだけでなく、労働者の強制徴用という歴史的事実をうやむやにし、取り繕い、労働者の血と涙にまみれたいくつかの工場や鉱山に文化遺産の装飾を施そうとして、韓国社会を激怒させた。
今年2月、日本政府は韓国側の度重なる警告を顧みず、新潟県佐渡市の佐渡金山を世界遺産に推薦することを正式に決定した。韓国メディアによると、第二次世界大戦中、日本は戦争物資の供給を確保するため、朝鮮半島の労働者約1200人を強制徴用し、この金山で残酷な労働に就かせた。劣悪な労働環境と抑圧のため、後に少なからぬ労働者がじん肺などで死亡した。韓国政府は、佐渡金山を世界遺産に申請する日本の行為に抗議したが、日本側は反対に両国関係悪化の責任を負うべきだと韓国側を非難した。
■「慰安婦」強制徴用という犯罪行為を矮小化
「慰安婦」の強制徴用は、日本政府と日本軍が計画的・組織的に行った人道に対する重大な犯罪であり、日本軍国主義による人権蹂躙の野蛮な行為である。韓国政府のデータは、日本が朝鮮半島を植民地支配していた時代に、朝鮮半島の女性8万-16万人が日本軍の「慰安婦」となってしまったことをはっきりと示している。
しかし、日本政府はこの歴史的犯罪行為を度々無視し、反省と謝罪を拒否しているうえ、事実の抹消と責任逃れの試みを繰り返している。
昨年4月、日本政府は「慰安婦」と労働者強制徴用について、「従軍慰安婦」や「強制連行」という用語は「誤解を招く恐れがある」として、「慰安婦」「徴用」に改めることを閣議決定した。その後、日本の複数の歴史教科書が「慰安婦」関連の用語をこれに基づいて訂正し、文部科学省の承認を得た。
日本軍の犯罪行為をうやむやにし、人権面での侵害行為を否認する日本側の企てに対して、韓国外務省は「日本側は、歴史問題で過ちを認める以前の姿勢を堅持する必要があり、これを覆す言動や相反する言動をしてはならず、歴史問題を解決する誠意を示すべきだ」と指摘した。
韓国紙「ハンギョレ」は「日本政府がどう否定しようとも、『慰安婦』強制徴用は女性に対する戦争犯罪だ。この点は永遠に否認できない。歴史の真実は覆い隠せず、日本は法的責任を負うべきだ」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年7月6日