新型コロナ下の北京で大学統一入学試験の準備進める各試験会場

人民網日本語版 2022年06月02日16:37

北京市では6月7日から10日にかけての4日間、受験生5万4000人が中国大学統一入学試験(通称「高考」)を受験を予定している。それを前に今月2日から、隔離や自宅待機措置の対象にはなっていない北京市の高校3年生の登校が再開された。中国新聞網が報じた。

北京市東直門中学(中高一貫校)は、北京市の常設試験会場99ヶ所のうちの一つとして、その準備をすでに整えている。会場に足を運ぶと、2日午前7時から、同校には高校3年生が次々登校していた。そして、N95マスクを着用し、1メートルの間隔を空け、健康コードを提示して、体温チェックを受け、秩序に基づいて一方通行の通路を進み、慣れ親しんだ教室に向かっていた。

北京市東直門中学校の試験会場の待合エリア(撮影・富田)。

新型コロナウイルス感染症拡大が完全には収束していない中、受験を控える高校3年生の登校を再開したのは主に、受験生のストレス緩和を狙ってのことだという。学生の家から学校までが遠い場合や、規則正しく学習や生活ができている学生は登校しないことを選ぶこともできる。

目前に控えた「高考」の安全な受験をどのように保障すべきかという点について、北京市東直門中学校の熊勁校長は、「当校の試験会場ではクローズド・ループ管理を採用している。受験生は、校門から入る際、体温をチェックする必要がある。発熱が確認された場合は、専用の通路から臨時の隔離エリアに向かってもらう。そして、予備の試験会場を使うかを判断することになる。その過程で、発熱している受験生が、他の受験生と接触するようなことは一切生じない」と説明する。

北京市東直門中学校の試験会場に「お知らせ」を貼る教師(撮影・富田)。

さらに、「今年、当校は試験会場13会場と、予備の会場3会場を設置した。試験中の教科が変わる間の休憩時間には、各試験会場では窓を開けて30分以上換気することになっている。そして、試験終了後は徹底的に消毒を行う。各試験会場には、いつでも使えるように、手指消毒剤や除菌ウェットティッシュ、マスクなども用意されている」という。

また、「各会場では30人が試験を受ける。各受験生の間には1メートルの間隔が設けられている。今年は、最多となる7校の学生390人が当校の試験会場で試験を受ける。関係者が隔離されたりする状況が突然発生する可能性に備えて、試験会場には、例年に比べて約2倍の約150人のスタッフを配置している」という。

北京市東直門中学校の試験会場で、手指消毒剤などの準備をする防疫担当の教師(撮影・富田)。

北京市教育委員会の李奕報道官は、「当市は、『高考』が予定通りに実施され、受験すべき学生全てが、安全に受験できるよう、できる限りのことをしている。今年は、常設試験会場のほか、封鎖エリア・管理コントロールエリア、指定の医学観察施設、医療治療施設などにも試験会場を設置している。そして、今回の感染拡大局面において生じる可能性のある緊急事態に備えて、予備の試験会場もたくさん準備している。市全域で試験会場の設置がすでに完了しているほか、人員確保、物資確保なども全て完了している」と説明した。

そして、「市全域の教育系統が万全の準備を整えている。当市は今年の高考が安全、かつ公平、公正に実施されるよう保障するほか、人的、文化的配慮を強化し、学生がスムーズに受験できるよう取り組む」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年6月2日

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