校庭で運動する自閉症の子供たち(写真提供・取材対応者)。
校庭で子供たちがしゃべりながら、楽しそうに運動しているのを見て、王淑娟さんは目を細めていた。なぜなら、自身も自閉症の子供の母親であり、その子育ての大変さを身に染みて感じているからだ。中国新聞網が報じた。
王さんは自身も自閉症の子を持つ母親として、自閉症の子供をサポートする学校を立ち上げ、この20年の間に、自閉症の子供数千人をサポートしてきた。そして、そこから感動だけでなく多くのものを得て来たという。
王さんによると、息子の豊豊君の治療のために、かつて中国国内のあちらこちらの医師を訪ねたという。医療従事者である王さんは、治療というのは、自分から積極的に行動しなければならないことをよく理解しており、リハビリテーションを試したところ、豊豊君の病状が少し改善したことに気付いた。
一人でも多くの自閉症の子供や家庭をサポートするために、王さんは2003年4月に、吉林省長春市に、特殊児童訓練ケアセンターを設立した。「設立当時は、簡単な設備しかなかった」と振り返る王さんは、「生徒も豊豊1人だけで、もう一人の教師が特殊支援教育の方法を模索してくれていた。そして、地元の各当局のサポートもあり、2010年に学校は新しい場所に移転した」と話す。
その後、自閉症の子供を持つたくさんの親が助けを求めて来るようになり、受け入れている子供の年齢は2歳から28歳と幅広い。そしてこの特殊支援教育学校に所属する教師もいまでは56人にまで増えた。
王さんが開設した特殊支援教育学校はこれまでに、数千にものぼる家庭をサポートしてきたほか、類似した機関や団体などと交流して経験を共有し、自閉症の子供のために、最も効果的なリハビリテーションを選び、リハビリテーションを受けた子供の多くが一般の学校へと戻って行ったという。
「豊豊は現在、自分で洗濯したり、食事を作ったりできるようになったほか、他の人の世話もできるようになった。新型コロナウイルス感染拡大期間中の豊豊の成長を見て、とても慰められている」と王さん。
そして、「今後も、自閉症の子供に提供するサービスの範囲を拡大していきたい。自閉症は、子供だけでなく、家庭や社会にとっても解決が必要な問題。一人でも多くの自閉症の子供が、普通の生活ができるようになり、最終的に社会に溶け込むことを願っている」と話す。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年5月17日